2021.06.30

CARS

300馬力で0-100km/h加速は5.9秒! プジョー史上最強の3008GTハイブリッド4に乗ってみた

日本でも人気を博すプジョー3008に追加されたプラグイン・ハイブリッド4WD。プジョー史上最強となる高出力パワートレインや、シリーズ初の4輪駆動など、ハイブリッドならではの環境性能だけではない、様々な魅力が詰まっている。

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日本仕様初のPHEV

2021年1月に日本上陸した3008のマイナーチェンジ版に、プジョーの日本仕様としては初のPHEVとなる3008GTハイブリッド4がラインアップされた。
 
システム構成は、1.6リッターガソリン・ターボとトルクコンバーターを多板クラッチに換装したモーター付きの8段ATでフロントを駆動し、リアに後輪駆動用の独立したモーターを持つ。エンジンはハイブリッド未装着用よりも出力が20ps増の200ps、トルクが50Nm増の300Nm。モーターはフロントが110ps/320Nm、リアが112ps/166Nmで、システム総合では300ps/520Nmと歴代のプジョー市販車としては最強を誇る。駆動用のリチウムイオン・バッテリーは13.2kWhで64kmのEV走行が可能となっている(WLTCモード)。 



今回の試乗では、バッテリー残量が十分にありEV走行も可能な状態と、メーター表示上では残量がゼロでハイブリッド走行はできるがEV走行は不可となる状態の両方を試したが、どちらでもかなり積極的にモーターを活用しているのが印象的だった。EV走行となる「エレクトリックモード」ではフロントはお休みしてリア・モーターで駆動および減速時の回生を行う。ただし、アクセルを床まで踏み込めばエンジンがかかり力強く加速していく。ステアリングにはパドルが付いているが、これはATの変速用なのでEV走行時に操作しても何も起きない。Dレンジでアクセル・オフしたときの減速感はエンジンブレーキ並みで自然な感覚、Bレンジにすると回生が強くなり、峠道の長い下りなどでは便利だ。

「GT」の名にふさわしく、シート表皮をはじめ、スポーティな仕立てになる。



バーチャル表示のメーターに電動化モデル特有の表示が加わる以外、プラグイン・ハイブリッドを示すものはない。

不快なショックがない


標準的な「ハイブリッドモード」では状況に応じて3つの動力源が賢く働く。発進時はリア・モーターで静々と動き出し、一定以上の加速ではフロントのエンジン+モーターが加わり、巡航走行時の多くはエンジンが停止して前後のモーターで走る。数多あるハイブリッド・システムのなかでも、エンジン稼働比率が低い方で、それだけ静粛性が高く、燃費も抑えられるだろう。素晴らしいのは頻繁に制御が切り替わっても、不快なショックや前後Gの揺らぎなどがないことで、EVと同等の快適性を持つ。また、トヨタの「THS II」や1モーター式ハイブリッドなどに比べるとモーターの出力が大きいので、アクセルを踏み込んだときのレスポンスや力強さが格段にいい。ドライバビリティにも優れているのだ。





一般的な走行ではEV感が強いといえるが、「スポーツモード」に切り替えればエンジンが存在をアピールし始める。アクセルを踏み込めばエンジンは6000rpmまでシャープに回り、前後モーターと相まって想像以上に強力な加速をみせる。車両重量は1850kgと軽くはないが、0-100km/h加速は5.9秒(欧州値)とスポーツカー並みだ。


4WDの強み
 
エンジン車ではリア・サスペンションがトーションバー式だが、PHEVでは重量増やリアの制御ユニットの搭載スペースを確保するためにマルチリンク式へと換装されている。その恩恵もあってか、シャシー性能も想像以上に高かった。背が高く重量もあるSUVを支えるために、引き締まった印象があるものの、しなやかにストロークするから乗り心地は快適で、ワインディングロードを走らせればプジョーらしい俊敏なコーナリングをみせる。リア・モーターも駆動に加わってくるのでトラクションや旋回性能も前輪駆動以上だ。



これまでプジョーはSUVであっても、高度なサスペンションと制御技術があればFFで十分としてきたが、やはり4WDの強みはある。アップダウンの激しいラフロードにも
足を踏み入れてみたが、スリップする気配もなく頼もしく走ってくれた。
 
プジョー3008は、ルックスや装備、使い勝手などに差を付けず、ユーザーのライフスタイルや好みで自由に選んでもらおうという「パワー・オブ・チョイス」というコンセプトによって、PHEVだけではなく、ガソリンやディーゼルもラインアップしている。PHEVは少々高価ではあるものの、上質でパワフルな走りの魅力は選ぶ価値が十分にある。高度な環境対応車でも普及しなくては意味がないが、これなら一定以上の人気を獲得できそうだ。

文=石井昌道 写真=望月浩彦


■プジョー3008GTハイブリッド4
駆動方式 フロント横置きエンジン+前後2モーター4輪駆動
全長×全幅×全高 4450×1840×1630mm
ホイールベース 2675mm
トレッド(前/後) 1580/1590mm
車両重量 1850kg
エンジン形式 直列4気筒DOHC16V直噴ターボ
総排気量 1598cc
ボア×ストローク 77.0×85.8mm
エンジン最高出力(モーター前/後、総合) 200ps/6000rpm(110ps/112ps、300ps)
エンジン最大トルク(モーター前/後、総合) 300Nm/3000rpm(320Nm/166Nm、520Nm)
変速機 多板クラッチ式8段AT
サスペンション形式(前/後) ストラット式/マルチリンク式
ブレーキ(前/後) 通気冷却式ディスク/ディスク
タイヤ(前後) 225/55R18
車両価格(税込) 565万円

(ENGINE2021年7月号)

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