2021.10.17

LIFESTYLE

家の中も外もアーチがいっぱい! ザ・ビートルが似合うお洒落な家


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阿蘓さん夫婦はこの家が建つまでは、同じ朝霞市の分譲マンションに二人のお子さんと住んでいた。それを、上のお嬢さんが剣道の有力校に通えるようにと、マンションを手放し学区内へ引っ越すことに。その折、阿蘓さんたちは弟さんの手掛けた住宅を初めて見学。アトリエ系建築事務所が建てる家の魅力を知る。こんなお洒落なら、弟に頼まない手はないと。

庭に面した窓は、天井までの大きなサイズ。リビングの床の仕上げで、屋内でも外部空間のよう。

ところが、決められた地域で希望の土地を探すのはそう簡単ではない。しかも「旗竿地だと、せっかく義弟が設計した家が見えなくなってしまう」と奥さんのあゆ美さんが話すように、弟さんのことを配慮しての家作りでもある。そうして最終的に見つかったのが、駅から10分ほどの、一辺が10m四方の四角い土地。家の前の道幅が4mしかないことくらいしか、欠点はなかった。



とはいえ、この敷地にガレージ・スペースをとったうえ、希望の中庭まで設けるのはそう簡単ではない。そこで建築家である弟さんは、家の形を平行四辺形とすることで、道路に沿った駐車しやすい三角形のスペースと、その対角線に三角形の中庭を確保した。ついついアーチに目が行ってしまうが、奥さんが希望した「お洒落なカフェ」風な空間が築4年でもキープできているのは、機能的な家であるからだろう。無駄なスペースが本当に少ない。例えば、玄関から入れば、リビング手前の廊下に洗面所があるうえ、扉を開けてバスルームに向かう通路両側は家族共同の衣装室になっている。子供部屋の個室部分はベッドと最小限のモノしか置けないサイズだが、二階の廊下部分に6mを超えるカウンターを設置し、家族も使える共同の勉強スペースに。リビング・ダイニングは、高い天井と大きな窓の向こうの中庭のお陰で、面積以上に広さが感じられて心地よい。さらに弟さんが提案した、深澤直人ら世界的なデザイナーが手掛けた家具が、カフェ的雰囲気を高めている。

キク、ムギ、シオの3匹の猫は、この家が完成してから飼いだした。それぞれ性格が異なり、3匹揃うのは稀。

カワイイ姿に一目ぼれしたザ・ビートル

家の前の便利な位置に停まるザ・ビートルに普段乗るのは奥様だ。とある駐車場で見かけ、カワイイ姿に一目ぼれ。モデル末期だったので、外装が黒で革のシートを希望すると、走りに拘った特別仕様車しか存在せず、それを手に入れた。駅までの距離だけを考えれば、クルマは必要ないかもしれない。だが、部活を頑張るお嬢さんの送り迎えに、クルマは必要なのだ。聞けば我々の取材の前日は、剣道のインターハイ。県の個人の部で優勝したそうだ。そこまで頑張っているのである。引っ越しや送迎など、家族でできるだけの応援をするのはよく分かる。



もちろん阿蘓さんも、お嬢さんの部活の送迎をすることは多い。現在、普段の足としているのはハイエース。業務用のクルマとして評価の高い一台だが、黒いボディカラーにワイドタイヤを履いた個性的なルックスに仕立てている。それ以前に乗っていたのは、ダッジ・ラム・バン。お子さんたちの部活が忙しくなる前は、こうした大きなクルマで、何度も車中泊の旅に出かけたそうだ。そんな阿蘓さんに、インタビュー後に尋ねられた。

「ところで我が家がENGINEに登場して良かったんですかね?」

いえいえ、どうして。クルマが好きで、個性的な家で暮らしているうえ、家族の素敵な物語がある阿蘓邸こそ、この連載に相応しい一軒だ。今回もまた、ちょっと素敵な話を紹介できたのではと思っている。



文=ジョー スズキ 写真=田村浩章

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(ENGINE2021年11月号)

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