18歳になるのを待ちわびるような思いで免許を取った。「とにかく早くクルマが欲しかったですね。ゲームセンターのドライビング・ゲームが大好きで、成績は常にトップ・クラスでした。だから、18歳になった! やっと免許取れる、行くぞ~! という感じでした」最初に買ったのは白のトヨタ・スターレット。“かっとびスターレット”というキャッチフレーズを持つ3代目スターレットで、1.3リッター直4ターボをマニュアルでガンガン回したという。「すごく嬉しかったです。自分のクルマが愛おしくて、ペットみたいな感覚でした」サーキットを走ったら、筋がいいからA級ライセンスを取った方がいいと言われるほど、運転が好きだった。しかし、仕事があまりにも忙しく、それは実現しなかったという。石原プロが手掛ける刑事ドラマにレギュラー出演したのも、そんな忙しい時期だった。「スターレットの次に乗ったのは、渡哲也さんからいただいた三菱エクリプスです。ドラマのなかでは、ガル・ウィングだったんですけど、電気系が壊れると閉じ込められるからと、普通のドアに変えてくれました。逆輸入車の左ハンドル。これもマニュアルでした」しばらくエクリプスを楽しんでいた田中さんだが、海外で衝撃的なクルマと出会った。「仕事でパリに行ったときに、シャンゼリゼ通りのスウォッチ・ショップで初代スマートを見たんです。このおもちゃみたいのは何? 一目惚れしちゃいました」日本に戻ると、並行輸入業者にお願いしてリミテッド・ワンという限定車をいち早く手に入れた。「私、クルマを買う時はテンションが上がらないとダメです。スマートは毎日わくわくしながら乗ってました。楽しくて仕方がなかったです」 キャンピングカーのアンバサダーになる結婚をして子供たちが大きくなると、自分のキャンピングカー体験を子供たちにも味わって欲しいと思うようになった。そんなとき、“自分のやりたいことを実現させる”という内容のスペシャル番組に出演することになった。田中さんは“キャンピングカーを買うぞ!”というテーマで、販売店にクルマを見に行ったり、キャンピングカーを使ったキャンプ体験をする様子などが放送された。「それを見ていた日本RV協会の方が、私たち夫婦を公式キャンピングカー・アンバサダーに任命してくださったんです」アンバサダー就任とともにキャンピングカー・メーカー、ナッツが手掛けたクレアというモデルに乗るようになった。「最初のドライブは東京~九州3600km。河口湖でロケがあって、長野、名古屋、京都、神戸、広島、山口、北九州、別府温泉、湯布院、長崎、佐世保、熊本……。子供たちと家族4人で観光しながら行きました。この夏には福島、米沢、青森そして北海道をぐるっと1周したんです。基本的に車中泊です。いまRVパークが全国にありますし、オートキャンプ場もあるから便利です」ご主人と交代しながら運転する。「なるべく下道を走ってます。道の駅や気になるお店を発見する喜びがあるからです。そこでしか食べられないものをいただく幸せがあります。日本にはこんな素敵な場所があったんだと、毎旅発見があります。ゆっくりクルマで行かなければ、知らなかったことばかりです」飛行機のように目的地までイッキに行かず、地べたをずっと行くのがいいのだと田中さんは言う。「主人もアウトドアが大好き。子供たちもすごく喜んでいて、ママもう東京に住む意味ないよねって。コロナ禍でもこもったまま移動ができるし、災害時の避難所にもなる。キャンピングカーと過ごすのは本当に夢のような時間なんです」キャンピングカーのない生活は考えられないという田中さん。愛車のクレアは相棒だと言う。「クレアとは家族の歴史を共有しているんです。クルマという役目を担当しているだけで、家族の一員なんです。もっと大きなキャンピングカーもいいなあと思いますけど、手放せなくなってきてます」いつかはキャンピングカーでアメリカ大陸横断旅行をしたいと思っている田中さん。いいですねえと言ったら、「一緒に行きましょうよ!」と大きな瞳を輝かせた。
キャンピングカーのアンバサダーになる結婚をして子供たちが大きくなると、自分のキャンピングカー体験を子供たちにも味わって欲しいと思うようになった。そんなとき、“自分のやりたいことを実現させる”という内容のスペシャル番組に出演することになった。田中さんは“キャンピングカーを買うぞ!”というテーマで、販売店にクルマを見に行ったり、キャンピングカーを使ったキャンプ体験をする様子などが放送された。「それを見ていた日本RV協会の方が、私たち夫婦を公式キャンピングカー・アンバサダーに任命してくださったんです」アンバサダー就任とともにキャンピングカー・メーカー、ナッツが手掛けたクレアというモデルに乗るようになった。「最初のドライブは東京~九州3600km。河口湖でロケがあって、長野、名古屋、京都、神戸、広島、山口、北九州、別府温泉、湯布院、長崎、佐世保、熊本……。子供たちと家族4人で観光しながら行きました。この夏には福島、米沢、青森そして北海道をぐるっと1周したんです。基本的に車中泊です。いまRVパークが全国にありますし、オートキャンプ場もあるから便利です」ご主人と交代しながら運転する。「なるべく下道を走ってます。道の駅や気になるお店を発見する喜びがあるからです。そこでしか食べられないものをいただく幸せがあります。日本にはこんな素敵な場所があったんだと、毎旅発見があります。ゆっくりクルマで行かなければ、知らなかったことばかりです」飛行機のように目的地までイッキに行かず、地べたをずっと行くのがいいのだと田中さんは言う。「主人もアウトドアが大好き。子供たちもすごく喜んでいて、ママもう東京に住む意味ないよねって。コロナ禍でもこもったまま移動ができるし、災害時の避難所にもなる。キャンピングカーと過ごすのは本当に夢のような時間なんです」キャンピングカーのない生活は考えられないという田中さん。愛車のクレアは相棒だと言う。「クレアとは家族の歴史を共有しているんです。クルマという役目を担当しているだけで、家族の一員なんです。もっと大きなキャンピングカーもいいなあと思いますけど、手放せなくなってきてます」いつかはキャンピングカーでアメリカ大陸横断旅行をしたいと思っている田中さん。いいですねえと言ったら、「一緒に行きましょうよ!」と大きな瞳を輝かせた。
▶「わが人生のクルマのクルマ」の記事をもっと見る文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=筒井義昭 スタイリング=多田えつ子 ヘアメイク=内山多加子 (ENGINE2021年12月号)
(ENGINE2021年12月号)
                    
                        
                                            
                    
                                            
                                                                
                    
                 
             
            
            
            
                無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
                無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
                いますぐ登録
                会員の方はこちら