仲間を誘って、ちょっと古いベンツでツーリングへ！【メルセデス・ベンツ300TE（1992）長期リポート #110】

著者をフォロー
記事を保存

1994年型のメルセデス・ベンツE320ステーションワゴンと、春のドライブ。

全ての画像を見る

雑誌『エンジン』に掲載された編集部の長期リポート車、メルセデス・ベンツ300TE（1992年型）の過去13年間分の記事をWEBで再掲載している連載です。毎週水曜日12時更新。今回は走行距離が27万9240kmの2018年5月号のリポート。無事、25年25万キロ達成記念ツーリングのイベントを終えて絶好調のエンジン編集部長期リポート艦隊の44号車、同好の士を誘って遠出を計画した。

30万キロ達成記念イベントの下見のつもりで！

1994年型のメルセデス・ベンツE320ステーションワゴンと、春のドライブを楽しんだ。

今月の走行距離は2240km。44号車は絶好調だ。どこかへ出かけたい。コンディションに波があるちょっと古いクルマだからこそ、調子のいいときは遠出がしたくなるのだ。同好の士も一緒なら、さらに楽しい。昨年秋に行った「44号車25年25万km突破記念イベント」に、E320ステーションワゴン（1994年型）で参加してくれた原田孝之さんに連絡をした。

「喜んで！　ちょっと気が早いけれど、44号車30万km記念イベントの下見も兼ねましょう（笑）。音楽好きなアライさんにご紹介したい場所があるんです」

原田さんとともに神奈川県の湯河原を目指す。原田さんの愛車は淡いブルー・メタリックだ。ボディには曇りひとつない。春の陽をキラキラ反射させるE320ステーションワゴンの後を追う。海岸線の向こうに見える海の色と、ボディ・カラーがシンクロしているようで綺麗だ。

目的地の「檜チャリティコンサートホール」に到着。和風の外観をバックに2台並べて撮影をした。

原田さんはこの美しいE320ステーションワゴンを2011年に購入した。原田さんのもとに来てから約5万kmを走行、現在オドメーターは12万kmを刻んでいる。

「その前は124型のセダンに乗っていたんです。1992年の260Eです。でも、ワゴンがカッコイイなあと思っていたんです（笑）」

260Eの前はホンダ・インスパイアだったという。なぜ124型メルセデス・ベンツに？　と聞いた。

「価値のあるクルマだと専門誌に書いてあったし、友人からは“124は故障しないよ”と聞いたんです。一度は乗ってみようと思って」

ガッチリとしたボディと、乗り心地の良さに驚いたという。

「これがベンツかあ！　という感じでした（笑）。どっしりと落ち着いた走行フィールに感動したのを覚えています。高速安定性に舌を巻きました。それに友人が言った通り、壊れなかったんです」

260Eですっかり124型メルセデス・ベンツにハマッた原田さんがステーションワゴンに買い換えたのは、前述の通り“見た目”である。

原田さんのE320ステーションワゴンは右ハンドル。原田さんが最も気に入っているのは後姿だ。

原田さんのE320ステーションワゴンは右ハンドル。原田さんが最も気に入っているのは後姿だ。

「ステーションワゴンの後姿が大好きです。いまのクルマにはない雰囲気がありますよね？　やっぱり124はワゴンでしょう（笑）。ファブリック・シートも気に入ってます。経年劣化がほとんどない。レザーはどうしてもヒビ割れが発生しますから。購入したときはAMGの17インチ・ホイールを履いていたのですが、純正の15インチに戻しました。これまでトラブルは一切ないです」

さて、目的地が「檜チャリティコンサートホール」になったのは、原田さんがボランティアでクラシックやジャズのコンサートを企画しているからだ。床、柱、梁、天井はすべて檜、壁は漆喰だという。天然素材だけで作られたホールは天井が高く、いるだけで気持ちがいい。

「30万km記念イベントの余興として、ここでアライさんに歌ってもらうのも面白いと思っています」と原田さんは笑った。

余興はさておき、ちょっと古いメルセデス・ベンツに乗るみなさんともう一度集まることができたらステキだ。30万kmまであと2万km。ちょうど1年後だろうか？　それまで頑張れ44号車！

文＝荒井寿彦（ENGINE編集部）　写真＝茂呂幸正