2022.01.20

LIFESTYLE

全世界を57兆個に分割! 住所の概念を変える英国発の「位置情報システム」の新しさ

イギリス発の位置情報システム「what3words」が世界中で注目されている。“住所革命”とも呼ばれるこのシステムは一体、なにが新しいのか?

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目的地をピンポイントで表示

カーナビに住所を打ち込んだが、目的地の周辺にしかたどり着けなかった。もしくは、地図アプリを使って初めてのレストランに出かけてみたが、入り口がなかなか見つけられなかった。誰もが経験したことのあるこんな苦労を、いとも簡単に解決してくれるアプリが世界中で話題になっている。イギリス発の位置情報検索システム「what3words」(ワットスリーワーズ)である。

このシステムが画期的なのは全世界を57兆個の、つまり3メートル四方の正方形に分割し、それぞれの区画に住所に代わる3つの言葉を割り振ったこと。たとえば渋谷・忠犬ハチ公像がある区画は“ためす。おさらい。すめる”。東京ドームの11番ゲート前は“ひとけ。きぼり。ろうご”。スマートフォンにインストールした「what3words」のアプリにこれらの言葉を入力すれば、目的地がある場所をピンポイントで表示し、あとはアプリと連携したGoogleマップやAppleマップが目的地まで誘導してくれる。



50の言語に対応

もちろんこのシステムはカーナビとも連携することができ、メルセデス・ベンツやフォードがすでに採用。2022年以降はロータスの全車種やランボルギーニ・ウラカンにも導入されることが決まっている。そんな「what3words」がドライブ中に威力を発揮する場面は多々ある。たとえば人気のない山道でクルマが立ち往生しても、3つの言葉で正確な居場所を伝えることができるし、馴染みのない海外でレンタカーを借りても、3つの言葉を日本語で入力するだけで、スムーズに目的地にたどり着くことができる(50もの言語に対応しているので、どこにいても日本語で操作できるのが便利だ)。





まもなくドライバー不在の自動運転タクシーや、ドローンによる配達などが当たり前になる時代が来る。そんなサービスにもピンポイントで目的地を特定できる「what3words」は役立つことだろう。現在は高さの位置情報には対応していないが、いずれは3D化に向けた改良も行っていくという。既存の住所という概念を根本から変える、これまでにない位置情報検索システム。我々の家や会社の住所が3つの言葉で表される……。そんな未来が本当にやってくるかもしれない。



文=永野正雄(ENGINE編集部)

(ENGINE2022年2・3月号)

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