2022.04.10

CARS

やっぱり4気筒より6気筒がいいのか? ポルシェ 718ケイマン GTS4.0に乗った5人のモータージャーナリストの意見とは【2022年エンジン輸入車大試乗会】

2022年上半期の注目モデル34台を大磯プリンスホテルの大駐車場に集め、38人のモータージャーナリストがイッキ乗りした恒例の大型企画、エンジン大試乗会。注目はなんといっても6気筒自然吸気エンジンの復活! 6MTもラインナップするポルシェ・ケイマンGTS4.0に、斎藤慎輔、竹岡圭、九島辰也、大井貴之、武田公実の5人のジャーナリストが試乗した。

原点回帰した6気筒自然吸気エンジン!

従来型の2.5リッター 4気筒ターボから、先代911GT3の6気筒をベースに新開発した4リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンへと原点回帰した718ケイマンGTS4.0。トランスミッションは6段MTとデュアルクラッチ式7段PDKの2種がラインナップされているが、今回の試乗車は前者のMTで、短いストロークでカチッと決まるシフトフィールは秀逸。ミドシップに縦置きされたエンジンは最高出力400ps/7000rpm、最大トルク420Nm/5000~6500rpmを発生。6段MTを介して、後輪を駆動する。0~100km /h加速は4.5秒、0~200km /h加速は14.1秒。最高速度は293km/h。全長×全幅×全高=4405×1800×1285mm。ホイールベース=2475mm。車両重量=1445kg。車両本体価格1113万円(マニュアル)。



エンジンを回し倒す快感を堪能/斎藤慎輔


走りに文句なんて言ったらバチが当たりそうなくらいに、痺れる官能性能を備えています。ケイマンも718シリーズとなってからもう6年目を迎え、見た目には内外装ともに鮮度はすっかり薄れてきていますが、この水平対向4リッター 6気筒自然吸気エンジンと、磨き上げられたシャシー性能の組み合わせたるや、酔いしれてしまう以外の何物でもありません。乾いた快音を奏でながら天井知らずのように綺麗に吹け上がるエンジン、そこにリニアに沸き上がってくるパワー、そして右足の動きに正確に反応するレスポンス、さらに手首の感覚に優しさを携えつつ正確な操作をもたらすMT、パワーをきっちりと高いトラクションへと変換するシャシー、応答遅れをいささかも感じさせることのないハンドリング、それを支える呆れるほどに高いボディ剛性感、いやはや感動ポイントを挙げたらキリがありません。それでいて、日常域でのエンジンやMTでの発進の容易さなど、硬軟織り交ぜて、もうもう「参りました」です。それにしても、エンジンを回し倒す快感を堪能させていただきました。感謝、感謝。



爽快! 軽快! フレンドリー!/竹岡 圭

スポーツ性を追求するなら、911よりもMRのコチラですよね。パワフルなのに軽快。爽快感だけで言ったら、コチラが上なのは間違いナシ。シフト・レバーを動かすたびに、一体感を得られる、まるでクルマと融合していくようなフィーリングを得られるマシン、改めて周りを見渡すと意外と少ないことに気付かせてくれるような1台なんです。それでいて、気構えがあまりなく乗れてしまう、乗せられてしまうのがケイマンの不思議なところ。ポテンシャルの高さを感じさせない、フレンドリーさがあるんですよね。こんなにスペシャリティ性高いのに、そこらのコンビニに普通に行けてしまう感覚は、ふと隣を見たら、ジョニー・デップが買い物かごに牛乳パックを放り込んでいたくらいの感じです。だからこそいつも手元に置いておきたい相棒として、手放さない方が多いのだと思います。ただし、今回はリフターなしのバケットシート装着モデルだったので、私が乗ると顎が上がってカッコ悪いったらなかった。小柄な方にはシートリフター付きのモデルを選ぶことをオススメします(笑)。



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