2022.04.10

CARS

やっぱり4気筒より6気筒がいいのか? ポルシェ 718ケイマン GTS4.0に乗った5人のモータージャーナリストの意見とは【2022年エンジン輸入車大試乗会】


advertisement


続いて九島、大井、武田の3人が試乗! 話題はやっぱり4気筒と6気筒の違いに集中! そしてMTも。

ミッドシップをMTで駆る幸せがここにある/九島辰也

「ポルシェ=911」と言う図式はもはや当てはまらない。販売のメインはカイエンやマカンといったSUVであり、ポルシェにとっての一押しはEVのタイカンとなる。まぁ、それでも“911神話”は拭えませんがね。でも、このクルマに乗るとあらためてポルシェがスポーツカー・メーカーであると確信する。ミッドシップ・レイアウトのケイマンである。中でも6気筒ユニットを積んだGTSはまさに出来すぎたケイマン。有り余るパワーが時として猛獣のような一面を見せる。無茶なアクセル操作は危険を伴いそうだ。それでも、ポルシェたる所以は強烈なストッピングパワーのブレーキ。このガツン! と効くブレーキあっての強烈なエンジンパワーとなる。このロジックは空冷911時代のインプレッションによく使ったものだ。MTであることも今回楽しんだ。愛車の一つは常にMTにしているので個人的に慣れ親しんではいるが、メーカーごとにフィーリングの特性はそれぞれ違う。その点ポルシェのフィーリングは極上だ。ミッドシップをMTで駆る幸せがここにある。



それでもやっぱり4発より6発/大井貴之

718のネーミングで登場した982型ケイマン。リア周りのボディ剛性、サスペンション剛性の物足りなさが見事に解消。新しい4気筒ターボはパワーもレスポンスも旧型以上。982の走りは文句のつけようが無いものだった。それでもやっぱり4発より6発なんですよ。やっぱ4気筒は高回転域の頑張ってる感がねぇ、6気筒には敵わない。それが復活しちゃうとなったら欲しくなるのは仕方ない。もう個人的好みの問題になるが、サーキットより普段乗り。ロングドライブやワインディングに照準を合わせたい! となるとGT4ではなくGTS。年寄りだから、じゃない、大人なので。その中でも3ペダルは、まさにドンピシャの大人向け仕様。楽チンさはもちろん、速さを見てもPDKが勝るが、筆者は自分でやりたい派の年代。左足だって動かしたい。シフトワークに自信が無かったとしても、スポーツ・モードに入れておけばクルマが完璧に回転合わせもしてくれる。問題があるとしたら1000万円を飛び越えてしまった価格。だが、スポーツカーとして走りのコスパは世界のトップクラスだ!



ケイマンGTSは当代最高のポルシェ/武田公実

今や忘れられつつある表現に「ポルシェを着る」というものがある。サイズ・キャラともにスーパーカーの領域に足を踏み入れてしまった991以降の911では、一部のポルシェ上級者にしか味わえない感覚なのだろうが、一方718ケイマンならば筆者のごときポルシェ門外漢でも、まるで着るかのごとき一体感を辛うじて味わえる。中でもこのGTS4.0は、一度は諦めかけていたボクサー6気筒を、切れ味・サウンドとも極上のNAハイチューンで搭載し、6段MTを組み合わせるなんて、まさに「ドライビングプレジャーの特盛」。ダブルクラッチ踏んでブリッピング入れて……、などという現代では無意味でしかない行為を嬉々として繰り返したくなってしまう。また、サーキットなど特殊な環境での実質的な速さを狙った仕立てのケイマンGT4とは違って、こちらのGTSは日常での楽しさを追求したかに感じられる。だから、ポルシェを思い切って振り回せる、あるいは振り回したような気になれるという点においても、ケイマンGTSは当代最高のポルシェではないかと確信したのだ。



写真=茂呂幸正(メイン)/神村 聖(サブ)

(ENGINE2022年4月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement