続いて、竹岡 圭、藤原よしお、生方 聡の3人のインプレッション。ところで、駆動用バッテリー残量がゼロの時は一体どうなるのだろう? 藤原の試乗時はまさにその状態だったようで、システムがどう作動するのかを参考にして欲しい。
素直にカッコいい! でも肩肘張らずに乗れる/竹岡 圭「バックシャン」ってフレーズ、あまり聞かなくなりましたが、まさにそんな1台ですよね。改めて考えてみれば407クーペ然り、プジョーはお尻がカッコイイモデルが多い気がします……。なんて話が逸れかけましたが、久しぶりにカッコイイと素直に思えるワゴンだと思います。インテリアのi-コクピットも、個人的には小径ステアリングと、その上から見るというメーターの位置関係が、体格とマッチして最高に扱いやすい。おかげで疲れ知らず、ワゴンに見合ったロング・ドライブを楽しみたくなります。そうなると室内もお部屋感覚でレイアウトしたくなりますが、コンソール周りの収納性は本当にお見事。アンダートレイとアッパートレイの間のケーブル類の取り回しも、見せない収納を最初から心得た作りになっているんです。その美しさと裏腹に、肩肘張らずシャラリと、ある種自由奔放に乗れるところが最大の魅力だと思うのですが、その味わいパワートレインはなんであれ、HVになっても変わらないという貫き方も素晴らしいですね。

軽やかなガソリン車と比べ、重厚でしっとりな乗り味/藤原よしお乗り込んだら既にEVモードの走行可能距離が0km。オーマイガッ! これじゃただの270kg重い508じゃないか、と嘆きながら走り出す。耳を澄ますと、この状態でも走り出しはモーター駆動で、すぐにドンとエンジンがかかってバトンタッチするのがわかる。よって想像以上にスムーズ。しかもハイブリッド専用の湿式多板クラッチ8段ATがきめ細やかでスイスイとスピードを乗せていく。あれ? 箱根の山もスピード・モードで登っていくと、180psの1.6リッター? エンジンだけでもそつなく走るじゃないか! 確かに絶対的な重さは感じるけど、バランスが崩れたり、乗りにくくなっていない。ガソリンの508を「軽やかでしなやか」と評するなら、ハイブリッドは「重厚でしっとり」という感じ。アクセル・ペダルを戻すとグォーっと回生ブレーキが効くのが「ハイブリッドらしい」ところだけど、慣れるとワンペダル・ドライブもできちゃうので結構便利。この出来栄えも、元の出来の良さと懐の深さがあってのことなのだなぁと、改めて508の偉大さを知ったのでありました。メルシー・ボク。
スタイリングもクーペとワゴンのハイブリッド/生方 聡電気自動車やPHEV(プラグイン・ハイブリッド車)というと、駆動用バッテリーを配置するうえで有利なSUVタイプのモデルが多い。重心が低いのでSUVの走りのネガティブさが解消できるという副作用もあるが、個人的には背の低いボディでより楽しく走らせたいというのが本心である。この508 SW ハイブリッドは、そんな私の願いを叶える1台で、ちょっと見にはPHEVとわからないのがまずいい。ステーションワゴンにしておくのが惜しいくらいスタイリッシュで、“流麗なシューティングブレーク・スタイルを名乗るのも納得がいく。クーペのようなカッコ良さとステーションワゴンの機能性を“いいとこ取り”するのは、パワートレイン同様に“ハイブリッド”だ。エンジンとモーターのいいとこ取りをするPHEVだけにその走りは力強くスムーズ。エレクトリック・モードなら電気自動車さながらの爽快な動きが楽しめる。PHEVになっても走りの軽快さはそのままで、ワゴンだけに、室内の収納も十分。まさにいいとこ取りの極致である。
写真=神村 聖(メイン)/郡 大二郎(サブ)(ENGINE2022年4月号)
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