2022.04.21

WATCHES

【vol.1「40万円」台篇】時計ジャーナリストが自信を持ってオススメする 50万円までで買える「価格を超えた価値ある時計」はコレだ!

円安や原材料の高騰などで進むインフレ。その影響は時計にも表れ始めている。しかし、ご安心あれ。実はお値段以上のお得なモデルも少なくないのだ。というわけで、時計ジャーナリストが選ぶ財布に優しい40万円台で購入できる実力派モデルを紹介します!

一生モノにふさわしい名作、ハイスペックも狙える 福田豊のイチオシ! カルティエ サントス デュモン
          
オリジナルに近いデザインと秒針無しの2針が素晴らしい
「サントス」はハイジュエラー=カルティエを代表する時計。1904年誕生の「世界初の男性用腕時計」と称される歴史的名作だ。そんな名品をこの価格で手に入れられるのが素晴らしい。そして、その理由はクオーツ式ゆえだが、新型クオーツの採用でケースを薄く、オリジナルに近いデザインにしたのが白眉。細身のローマ数字インデックスもオリジナルのスタイル。さらに秒針無しの2針が、やはりオリジナルと同じで、しかもクオーツとわからせないのが秀逸だ。ステンレススティール、ケースサイズ43.5×31.4mm、3気圧防水。48万4000円。(C)Cartier
      
世界的な飛行家のアルベルト・サントス=デュモンの依頼で誕生。飛行機の操縦中にも見やすいよう、当時の主流の懐中時計ではなく、腕時計として作られたのだ。
(C)Albert Harlingue/Roger-Viollet
          
ケースの四隅から流れるようにベルト用のラグを設けたのが見どころ。「腕に着ける」という機能を初めてデザインで具現化した、すなわち「世界初の男性用腕時計」なのだ。Vincent Wulveryck, Cartier Collection Cartier (C)Cartier

菅原茂のイチオシ! オリス アクイスデイト キャリバー400
           
価格を超える見事なダイバーズ
ハイスペックとお手頃価格の両立では、オリスはその代表的なブランドのひとつだ。象徴的なのがこの本格的なダイバーズウォッチである。搭載する自社開発ムーブメントのキャリバー400は、5日(120時間)もの長時間パワーリザーブに加え、30以上の耐磁性パーツで構成され、高度の耐磁性も実現。そして10年間という保証までつくから安心して使える。自動巻き。ステンレススティール、ケース直径41.5mm、300m防水。40万7000円。

ステンレススティールのブレスレットとラバーストラップが工具なしで簡単に付け替えられるオリス独自のシステムも採用する。

大野高広のイチオシ! ブライトリング スーパーオーシャン オートマチック 42
          外に連れ出したくなる500m防水ダイバーズ
航空分野だけでなく、海洋でも同社の名声を確立した1957年初出の末裔。名作ナビタイマーの5年後に誕生した長い歴史を受け継ぐ現行モデルは36mmから48mmの5サイズ展開だ。それぞれに個性的な味付けで、私的にジャストフィットするのが42mm。軽快に着けられるので、どんどん外へ出かけたくなる。インナーベゼルの新色イエローはブライトリング オンラインブティック限定販売。自動巻き。ステンレススティール、500m防水。45万1000円。
         
 インデックスと指針はもちろん、逆回転防止ベゼルの基準マーカーにも強力な夜光を塗布。深海はもちろん、日常的な暗所でも残り時間を容易に視認できる。

竹石祐三のイチオシ! チューダー ブラックベイ フィフティ-エイト
          
長く使い続けられるベーシックなデザイン
ブランドの過去モデルに着想を得たスノーフレーク針によってさりげないアクセントを加えつつも、トータルではベーシックなダイバーズウォッチの佇まいにまとめ上げており、一見して長く使い続けられると確信できる。直径39mmのケースサイズは手首への収まりも良く、さらにリベットブレスレットのしなやかな動きによって装着感を高めているのも好印象だ。自動巻き。ステンレススティール、ケース直径39mm、200m防水。43万1200円。

搭載するのはCOSC認定クロノメーターの自社製造ムーブメント。約70時間のパワーリザーブを実現する実用性も、このモデルの価値を高めている。

菅原茂:「時計記事を書いて30年。時計もずいぶんと高価になった。その間の日本経済の成長が鈍ったので、なおさら時計が高く見えてしまう。だが、最近は高品質でお手頃価格、価格以上の良品も確実に増えた。自分もまた1本欲しくなった。

大野高広:時計専門誌や一般誌などで編集&執筆。時計、バイク、クルマ(&ゴルフ)をこよなく愛する自己満足型の趣味人。数百万円以上の高額モデルが好調な一方、数万円から魅力的なモデルが数多く見つけられるのも時計趣味の良さと実感。

福田 豊:100万円オーバーならすぐ見つかる。ミドルレンジで魅力的なモデルを探すのが難しく楽しいのだ。と言っていたら、この企画の依頼が来て、驚いた。以心伝心ですね。いやあ、書きたいことがちょうど書けるなんて、よかったです。

竹石祐三:(ほぼ)腕時計を主戦場にするエディター/ライター。価格帯を問わず、腕時計は“プロダクト力”が重要だと常々考えており、特にミドルレンジ~ローエンドのモデルでは、外装の仕上げや独自性のある表現に着目している。

文=菅原茂/大野高広/福田豊/竹石祐三 
※時計の価格はすべて本誌掲載時点の税込価格となります。

(ENGINE2022年4月号)

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