2022.05.22

CARS

いま、フランス車にいい風が吹いている! DS9、プジョー508SW、シトロエンC5エアクロスSUV、最新高級フランス車3台乗り比べ!【前篇】

DS9オペラ、プジョー508SW GTハイブリッド、シトロエンC5エアクロスPHEVの3台に試乗

全ての画像を見る
DSの新しいフラッグシップ・モデル、DS9 が日本に上陸したのを機に、基本プラットフォームを共用しながら、まったく違う装いを持つ、プジョー508SW、シトロエンC5エアクロスSUV と乗り比べてみた。今回はその前篇、プロローグとして、今なぜフランス車を取り上げるのか? エンジン編集部員のムラカミ、シオザワ、アライの3人が、その理由について語り合った。

advertisement


フランス車にはカップホルダーがなかった!?

村上 フランス車を特集するのはENGINEでは3回目。最初は2011年の11月号でタイトルは「フランス車の『独善』と『普遍』」。新型プジョー508に史上初めてカップホルダーが装着されたことに端を発しての特集だった。

フラッグシップ・サルーンにふさわしいラグジュアリー感のあるインテリアを持つDS9。

塩澤 もちろん今ではフランス車だってカップホルダーは当り前に付いているけれど、それまでは“当り前に”なかったのだから驚きだよね。

村上 2回目は2014年の12月号で「パリとクルマ」と題して、パリという都市と人とクルマのいい関係を考察した。

荒井 なにしろパリは、1898年に世界で初めて国際モーターショーが開かれた都市だからね。クルマとの結びつきは深い。

村上 で、今回、3回目をやろうと思ったのは、いま、フランス車に、いい風が吹いていると思ったから。振り返ってみると、ENGINE創刊の2000年から最初のフランス車特集の2011年あたりまでの10年間は完全にドイツ車の時代で、まるで「ドイツ車にあらずんばクルマにあらず」というくらいの勢いでドイツ車がクルマ市場を席巻していた。



塩澤 つまり、速いこと、機械的に優れていること、堅牢で壞れないことが、クルマのすべての正義だと思われていた時代だった。でも、2007年にシトロエンC6が登場した時には、エンジン・ホット100ではなんと1位の座を獲得しているんだけどね。「ひたすらハイパワー・高性能に向かうクルマへの警鐘だと思う」なんて声も上がっていた。

村上 それでも、結果的には時代のあだ花として消えていく運命にあった。今でもC6は傑作車だと思うけど、時代を動かすだけの風を起こすことはできなかった。

荒井 それはそれ以前のXMやSMなんかのシトロエンもそうだよね。

村上 でも、今はどうだろう。この10年のあいだに、一気に地球環境問題が大きくクローズアップされるようになり、それにともなって速さや機能至上主義が行き詰まりを見せる中、ドイツ車がなんだか急に勢いを失い、その一方でフランス車がいつのまにか浮上しているんじゃないの。

何よりも快適さを追求したSUVであるC5エアクロスのインテリアは、3台の中で一番カジュアルなテイストを持っていた。

荒井 確かに、そういう感じはある。

村上 だって、今どきブランドが消滅していく話はよくあるけど、逆にブランドがここにきて二つも誕生ないし復活した国なんてないでしょ。

塩澤 アルピーヌとDS。確かにクルマ業界全体を眺め渡しても、いま注目の勢いのあるブランドだね。

村上 というわけで、今日はそのひとつであるDSの新たなフラッグシップモデル、日本に上陸したてのDS9を借り出して、基本は同じプラットフォームを使いながら、まったく異なる装いを持つ2台のフランス車、すなわちプジョー508SWとシトロエンC5エアクロスと合わせて3台で、いつもの箱根までひとっ走りしてきたわけです。

(後篇に続く)

話す人=村上政(まとめも)+塩澤則浩+荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=柏田芳敬

■DS9オペラ
駆動方式 フロント横置きエンジン前輪駆動
全長×全幅×全高 4940×1855×1460mm
ホイールベース 2895mm
車両重量 1610kg
エンジン形式 直噴直列4気筒DOHCツインターボ
排気量 1598cc
ボア×ストローク 77.0×85.8mm
最高出力(システム最高出力) 225ps/5500rpm
最大トルク(システム最大トルク) 300Nm/1900rpm
トランスミッション 8段AT
サスペンション(前) マクファーソン式ストラット/コイル
サスペンション(後) マルチリンク/コイル
ブレーキ (前)通気冷却式ディスク、(後)ディスク
タイヤ(前後) 235/45ZR19
車両本体価格(税込み) 690万9000円

■プジョー508SW GTハイブリッド
駆動方式 フロント横置きエンジン+電気モーター前輪駆動
全長×全幅×全高 4790×1860×1420mm
ホイールベース 2800mm
車両重量 1820kg
エンジン形式 直噴直列4気筒DOHCツインターボ
排気量 1598cc
ボア×ストローク 77.0×85.8mm
最高出力(システム最高出力) 180ps/6000rpm(225ps)
最大トルク(システム最大トルク) 300Nm/3000rpm(360Nm)
トランスミッション 8段AT
サスペンション(前) マクファーソン式ストラット/コイル
サスペンション(後) マルチリンク/コイル
ブレーキ (前)通気冷却式ディスク、(後)ディスク
タイヤ(前後) 235/45ZR18
車両本体価格(税込み) 654万7000円

■シトロエンC5エアクロスPHEV
駆動方式 フロント横置きエンジン+電気モーター前輪駆動
全長×全幅×全高 4500×1850×1710mm
ホイールベース 2730mm
車両重量 1860kg
エンジン形式 直噴直列4気筒DOHCツインターボ
排気量 1598cc
ボア×ストローク 77.0×85.8mm
最高出力(システム最高出力) 180ps/6000rpm(225ps)
最大トルク(システム最大トルク) 300Nm/3000rpm(360Nm)
トランスミッション 8段AT
サスペンション(前) マクファーソン式ストラット/コイル
サスペンション(後) マルチリンク/コイル
ブレーキ (前)通気冷却式ディスク、(後)ディスク
タイヤ(前後) 225/55ZR18
車両本体価格(税込み) 571万2000円

(ENGINE2022年6月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement