2022.05.27

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50年の歳月を重ねても色褪せない オーデマ ピゲの不朽の名作 Vol.2

50年前に誕生した製品が、ほとんど姿を変えずに継承され、しかも右肩上がりに人気を集め続ける状況は極めて稀だろう。スイスの名門「オーデマ ピゲ」が1972年に発表した「ロイヤル オーク」は、数少ない例外的マスターピースだ。そんな不朽の名作の魅力を2回にわたって紹介する。2回目の今回は、マスターピースとしてのロイヤル オークの足跡と受け継がれる職人技に注目する。

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ケース、そしてムーブメント。全てがどの角度からも輝きを放つロイヤル オーク

ロイヤル オークは 1972年のデビュー以降、様々なサイズや素材、機能を加えたバリエーションを増やしてきた。例えば1976年には女性デザイナーのジャクリーヌ・ディミエを迎え、レディスモデル「ロイヤル オークⅡ」を製作。当時のレディスウォッチは、近年以上にフェミニンなスタイルが好まれていたが、あえて八角形の力強いデザインはそのままに、ケース径だけを小さくしてレディスウォッチとしている。

また1977年にはゴールドモデルが発表されたが、これも初代モデルの〝革新的なスティール製ウォッチ〞というロイヤル オークの重要なコンセプトを揺るがす、大きな挑戦だ。さらに1986年には、「ロイヤル オーク クロノグラフ」が誕生。初代モデルはピンクゴールドもしくはステンレススティールにタンタリウムを組み合わせるコンビケースというのも異色であった。その後もスポーティな「オフショア」や近未来的なデザインと素材を使った「コンセプト」など、数々の野心的なモデルを発表し、ロイヤル オークはファミリーを増やしている。しかもそのどれもが、ジェラルド・ジェンタが作り上げた初代モデルのデザインコードを継承している。
 
前衛的で刺激的な個性を求めると、時には歴史や伝統から切り離され、〝形無し〞や〝型崩れ〞にも見えてしまう。しかしオーデマ ピゲは、ロイヤル オークのデザインを、ある種の型(固定化された表現)として守り続けてきた。だからこそデザイナーや技術者は〝型破り〞な時計を作ることができるし、時計ファンとしても「これもロイヤル オークである」と受け入れられる。だからロイヤル オークは、創造性と可能性を無限に広げることができるのだ。


ロイヤル オーク クロノグラフ
最新型ムーブメントCal.4401を搭載した50周年記念のクロノグラフで、特別仕様のローターを使っている。12時位置のロゴ周りをブランド名だけにしたことでダイアルをすっきりさせ、綺麗なグランドタペストリー仕上げを際立たせる。自動巻き式クロノグラフだがケース厚を12.4㎜に抑えており、腕馴染みを高める。アリゲーターストラップ仕様なので、ドレッシーに楽しみたい。自動巻き。18KPG、ケース直径41㎜。577万5000円。

進化すること、守り抜くこと

今年は50周年という大きな節目を迎え、自動巻きローターを特別なデザインにする以外にも、ロゴ周りやラグ、ブレスレットなどに小さな変更を加えて常に進化している。アイコニックなデザインを守ってきたから、時代を超えることができるし、いつまでもその価値を失うことはない。まさにマスターピースである。
 
こういったオーデマ ピゲの継続性は、今も創業地のル・ブラッシュで、時計を作っていることとも関係するだろう。ファクトリーは近代化されたが、それでも多くの部分で職人の手仕事が必要であり、50年前と変わらない時計師たちの姿がそこにある。
 
その人気の高さと生産数の少なさによって、ロイヤル オークが手に入りにくい状態になっているのは事実だが、それは実直に仕事をしている証明でもある。時計愛好家としては、喜ぶべきことなのかもしれない。

オーデマ ピゲにかんする詳しい情報はこちら!

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全ては熟練の職人の手によって生み出される


ジュウ渓谷の街ル・ブラッシュにあるオーデマ ピゲの工房は、美しい自然に囲まれている。


50周年記念モデルのために作られたローターを組み込む。


美しいダイアル装飾を傷つけぬよう、細心の注意を払って針を取り付ける。


ロイヤル オークの特徴であるキレのあるケースは、熟練職人の手仕事から生まれる。一瞬の油断も許されない、緊張感のある作業の連続だ。


ブレスレットも平面はヘアライン、斜面はポリッシュで仕上げている。


スモークイエローカラーのダイアルが美しい50周年記念モデル。ケースやベゼルはイエローゴールド製で、ビスはホワイトゴールド製となっている。

ロイヤル オークの真髄に触れられるエキシビションも開催中

『ロイヤル オーク 時を刻んだ50年』
希少なヴィンテージモデルやデザイン画、技術資料、歴史がわかる写真や動画、広告ビジュアルなどを展示し、ロイヤル オークの足跡を学べるイベントを開催。八角形ベゼルの精密な磨き工程を見学できるコーナーも用意される。
 
会期:~6月5日(日)
会場:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3
   東京都港区赤坂9-7-6
   (東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン)
開館時間:11:00~19:30(19:00最終受付)
入場料:無料(予約優先)
『ロイヤル オーク 時を刻んだ50年』の詳しい情報はコチラ!

『こんなロイヤル オーク、見たことない』
アイコニックなデザインを守りながら、バリエーションを増やしてきたのもロイヤル オークの魅力。コレクターが所有している希少でユニークなモデルたちを展示しており、まさに未知との遭遇を楽しめるイベントとなっている。

会期:~2022年度末
会場:オーデマ ピゲ ブティック 銀座
   東京都中央区銀座6-5-13 B1F
開館時間:12:00~19:00(18:30最終受付)
入場料:無料(予約優先)

オーデマ ピゲにかんする詳しい情報はこちら!
オーデマ ピゲ ジャパン
Tel.03-6830-0000

※ご紹介している時計は2022年度発売予定ですが、入荷未定となっております。

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文=篠田哲夫 撮影=近藤正一
(ENGINE2022年7月号)

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