2022.07.25

CARS

ヤフオク7万円で落札したシトロエン! 1254枚の写真が語るエグザンティアのレストア・リポートがスタート!!【シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#5】

エンジン編集部ウエダが手に入れたシトロエン・エグザンティアV-SX(1996年型)。

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少し悩んだが、現状でこれだけの走りっぷりなら、手を入れる甲斐がある。7万円という値段も、車検までの残りの期間と、一緒に付いてくる部品代を考えれば、ほぼタダみたいなものだ。車両代が安価な分、仕上げるのにお金を割くことができる。

程度のいいエグザンティアのユーズド・カーは減り続け、消耗部品すら一部は入手が難しくなっていると聞いていた。BXやXMほどの人気はないが、2000年代までのネオ・クラシック車は高騰しはじめてもいた。これを逃したら、履歴のはっきりしたエグザンティアを安価に手にするチャンスは、もうないかもしれない。

出品者に購入の意思を伝え、あとはオークションの結果次第ということになった。彼が去って行った後、iPhoneから入札をし、エグザンティアの余韻を味わいながら終了時間を待つ。21時38分、けっきょく入札者はほかに現れず、僕はこのエグザンティアの、3人目のオーナーになることが決まった。

納車時点での支払いは200万円オーバー

落札から2週間後、僕は過去に2台のエグザンティアを託したカークラフトの篠原さんに見せたいクルマがあるとだけ告げ、工場へ向かった。持ち込んだ濃い青色のエグザンティアをひと目見てすぐ試乗に行った彼は、まんざらでもない顔をして戻ってきた、ような気がした。

僕はカークラフトに通うようになってから20年近く経って、はじめて整備を依頼。その日から約10カ月、板金塗装代50万円、部品代70万円、工賃80万円、計200万円を投じることになる修復作業の日々がはじまった……。

カークラフトでは作業工程をすべて写真で残している。世の中に手抜き整備や正しい知識のない整備が溢れていることを嘆いた代表の篠原さんが、写真は真実を語るとはじめたもので、僕のエグザンティアは納車時点で、4つの青いファイルに計1254枚もの写真が収まった。赤いファイルは作業項目と交換部品リストで、エンジンのヘッド・オーバーホールをはじめ計64項目に及んでいる。

この作業の工程は、すべて写真で残されている。世の中に手抜き整備や正しい知識のない整備が溢れていることを嘆いた篠原さんが、写真は真実を語るとはじめたもので、このエグザンティアの場合、2022年3月の納車時点で4つの青いファイルに計1254枚もの写真が収まった。修復作業と交換部品リストをまとめた赤いファイルには、エンジンのヘッド・オーバーホールをはじめ64もの項目がずらりと並んでいる。

今後はこの記録を元に、25年間、16万km走ったクルマがどういう状態だったのか。外装のオールペイント、インテリアの補修、機関系の消耗品を片っ端から交換する作業はどのように進められたのか。10カ月間で、いったいどこまで蘇ったのか。さらに2022年の今、四半世紀前のシトロエンと日々を過ごしてみたら、いったいどうだったのか。それは天国か、それとも地獄なのか? ……などなど、様々な面からリポートをしたいと思う。どうかご期待下さい。

■CITROEN XANTIA V-SX
シトロエン・エグザンティアV-SX(1996年型)
購入価格 7万円(板金整備を含む納車時までの支払い額は213万9326円)
導入時期 2021年6月
走行距離 15万9247km(購入時15万8970km)

文=上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=岡村智明 撮影協力=八ヶ岳高原ロッジ/カークラフト

(ENGINE2022年6月号 再編集)

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