2022.05.28

CARS

普及のカギは価格と航続距離 日産初の軽EV「サクラ」がデビュー

三菱自動車と共同開発した日産初となる軽規格の電気自動車(EV)、「サクラ」が公開された。社内公募によって決定された車名には、日本の電気自動車を代表するクルマにしたいという思いが込められた。

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サクラ専用のエクステリア

基本的には日産の軽自動車「デイズ」がベースになっているが、フロント・ウインドウなど一部のパーツ以外を除き、エクステリア・パーツの多くはサクラ専用のものが用いられている。デザインはフロントまわりをはじめ、同じ日産の電気自動車、アリアと共通性を持たせている。プロジェクター・タイプの3眼式ヘッドライトを軽自動車では初めて採用。14インチのホイールは水引をイメージしたデザインで、日本の伝統美を表現した。ボディ・カラーは15色を設定している。



軽を超えた上質なつくり

ボディサイズは全長3395×全幅1475×全高1655mm、ホイールベースは2495mmで、デイズより15mm背が高い。4枚のドアは前ヒンジ式を採用している。車両重量は1070〜1080kg、4名乗車時の荷室容量は107リッターだ。

インテリアもアリアのイメージが受け継がれている、7インチのメーターパネルと9インチのインフォテインメント用ディスプレイを横並びに配置。シートは前後席とも左右の座面が連続したソファ・タイプとなっている。デイズに対して素材やデザインを変更することで、これまでの軽自動車にはなかった上質な仕立てになっている。



最大トルクは軽ターボの2倍

パワートレインは64ps/195Nmの電気モーターで前輪を駆動。最高出力はEVでも自主規制が維持され、64psに留まるが、最大トルクはデイズ・ターボのほぼ2倍という高トルクを発生する。最高速度は130km/h。20kWhのリチウムイオン・バッテリーを使用し、WLTCモードの最大航続距離は180kmとなる。走行モードはエコ、スタンダード、スポーツの3つで、ワンペダル運転も可能だ。高速道路単一車線での運転支援技術である「プロパイロット」に加え、自動駐車制御の「プロパイロットパーキング」が軽自動車としては初めて搭載された。

充電能力は、バッテリー残量警告灯点灯から、200Vの普通充電では100%まで8時間、急速充電では80%まで約40分。外部給電にも対応し、一般家庭の約1日分の電力を賄えるという。



実質約178万円から

装備の違いによって3グレードを設定。価格は233.31万〜294.03万円。55万円となる見込みのクリーンエネルギー自動車導入促進補助金を活用した場合の実質購入価格は約178万円(消費税込み)からとなる予定。自治体の補助金が使えれば、さらに安い価格で手に入れることができる。

販売はデイズ同様、車両を購入する通常通りのスタイルだが、今後、サブスクリプションの用意も考えているという。発売は夏を予定している。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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