ランドローバー・レンジローバー・ファーストエディション(P530)
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プラットフォームを一新するとともに、突起物を一掃したユニークなデザインを纏って登場した新型レンジローバー。米国で開かれた国際試乗会からモータージャーナリストの大谷達也がリポートする。まるでコンセプト・カーのようなデザインあたかもCGのように見えるこの画像、実は量産仕様の新型レンジローバーが現実の路上を走っている姿を捉えたホンモノの写真である。ちなみにフロントにナンバーがついていないのは国際試乗会がアメリカ・カリフォルニア州のナパ周辺で実施されたため。
にもかかわらず、なぜかコンセプト・カーのように思えてしまうのは、チーフ・クリエイティブ・オフィサーであるジェリー・マクガヴァンのデザインコンセプトが忠実に再現されたからに他ならない。マクガヴァンのコンセプトを私なりに解説すれば、無用なデザイン要素を徹底的に削ぎ落としたうえで、洗練されたプロポーションを描き出し、ボディ・サイドにレンジローバーの伝統である3本のラインを添えた、となる。くわえて、これでもかとばかりにフラッシュサーフェイス化を徹底。さらに、ボディ・パネル間のつなぎ目であるシャット・ラインをできるだけ減らしたほか、シャット・ラインの間隔を極力狭めることで、まるでコンセプト・カーのようにヌメッとして未来的なデザインが完成したと私は捉えている。そのデザインには、もちろん好き嫌いがあるだろう。ただし、私の目には極めて洗練されていて魅力的に映る。それにしても、これほど高い精度感を生み出すには、さぞかし高度な技術とコストが必要だったはず。そこで試乗会場に居合わせたマクガヴァンに訊ねたところ、「試乗車は本格的な量産開始直前に生産されたもので、実際に量産が始まれば製造時の精度はさらに向上するはずです」と語っていたのだから驚く。
洗練さや優れた精度感、さらには控えめで理知的といったキーワードはエクステリアだけでなくインテリアにも当てはまるが、新型レンジローバーでもうひとつ注目すべきは、そうしたデザイン性の高さにくわえて、走りもかなりの実力派だったという点にある。
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