2022.07.09

CARS

VWゴルフは追い越されてしまったのか? 新型308の驚くべき完成度にプジョーの本気を見た!

プジョー308GT ブルーHDi

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最初に乗ったのはディーゼルのGT。業界内でも名機と評価されている1.5リッターはとにかく軽快に吹け上がりつつ、ディーゼルならではのトルキーな印象もしっかり感じられる。続いて乗ったガソリンのアリュールも力不足は感じなかったが、ディーゼルと比べるとエンジンを高回転域まで回し気味になるので、むしろ音が気になることもあった。

名機ですら脇役になるほど圧倒的なシャシー性能

とはいえ、新型308のシャシーの良さを体感すると、出来のいいディーゼルといえども、フランス製実用車においてエンジンは脇役であることを改めて実感する。

1.5Lの4気筒ディーゼル・ターボは、GTとアリュール両方に設定される。

タイヤサイズはアリュールが225/45R17で、GTは225/40R18と扁平率が強まるが、そのGTであってもライドフィールはしっとりしなやか。走り出した瞬間に猫足という言葉が思い浮かんだ。

アリュールはさらに当たりが柔らかく、一般道を流すようなシーンではフランス車らしいゆったりとした上下動が堪能できる。GTとどちらを取るか悩みどころだ。

ハンドリングはやはりタイヤの違いが影響し、操舵に対する反応はGTのほうが確実。その後の動きは70kg軽いガソリンのアリュールの方がプジョーらしいニュートラルステアを実感できるものの、ペースを上げたときのステアリングの手応えはGTのしっとりした重みが好みであり、ソリッドな反応が小径リムに合っているとも思った。

プジョー308アリュール

2台に共通して言えるのは、コーナーでの接地感が底なしに思えるほど高いこと。どんなに攻めてもしっかりついてくるロード・ホールディングには圧倒されるばかりだった。

試乗を終えてインポーターのスタッフに感想を聞かれて、思わず「やばいですね」と口にしてしまった。モダンなデザインでありながら使いやすく、走らせればプジョーらしさを残しつつクラス最高水準を達成。モデルチェンジでの進化をあまり感じない現行ゴルフを本気で追い越しにかかってきていることが、新しいロゴマークに描かれたライオンの表情とともに伝わってきた。

文=森口将之 写真=郡 大二郎

GTではサイドにも新しいロゴマークが入り、リア・コンビランプの3本線が斜めになる。
■プジョー308GT ブルーHDi
駆動方式 フロント横置きエンジン前輪駆動
全長×全幅×全高 4420×1850×1475mm
ホイールベース 2680mm
トレッド(前/後) 1550/1545mm
車両重量(車検証記載前後軸重) 1420kg(880/540kg)
エンジン形式 直列4気筒DOHC16V直噴ディーゼル・ターボ
総排気量 1498cc
ボア×ストローク 75.0×84.8mm
エンジン最高出力 130ps/3750rpm
エンジン最大トルク 300Nm/1750rpm
変速機 8段AT
サスペンション形式 前 ストラット式
サスペンション形式 後 トーションビーム式
ブレーキ 前/後 通気冷却式ディスク/ディスク
タイヤ 前後 225/40R18 92Y
車両価格(税込) 396.9万円

(ENGINE2022年7月号)

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