2023.01.08

CARS

「A2ってどうですか?」3リッターで100キロ走る激レア車 先進的すぎて日本未導入に終わったアウディA2を買ったオーナーに聞きました

最先端のアルミフレームを持つ3リッター・カーとして登場するも、正規輸入されることなく終わってしまった幻のコンパクト・カー、アウディA2。その先進性とインパクトは、20年が経った今もまったく色褪せていないという。モータージャーナリストの藤原よしおがリポートする。

天使と悪魔の声がする

「アウディA2、どう思います?」

HFRというヒストリック・フォーミュラのクラブで一緒にレースを楽しんでいる久保田裕介さんから、そんな相談を受けたのは2020年秋の鈴鹿でのことだった。

「実はすごく程度が良いのを見つけたんですよ。買っても大丈夫ですかねぇ?」

久保田さんのA2は当時、少数が日本へと並行輸入された01年型で、1.4リッターガソリン・エンジンと5速MTの組み合わせ。全長×全幅×全高=3826×1673×1553mmのボディは驚くほどコンパクトだ。

そんな良いクルマなら、すぐに買った方がいい! と僕の心の中の悪魔が囁く一方で、生産から20年近くが過ぎたレア・モデルを無責任に薦めていいものか? という天使の声も聞こえる……。結局、その両者の間で葛藤しながら結論めいたことは言えなかったのだが、その話から2週間も経たないうちに送られてきたのは、明らかに文面からもウキウキ感が窺える「A2買っちゃいました」という1通のメールだった。

A2といえば、93年にアメリカ政府が提唱した3リッターで100km走行可能な超低燃費車“3リッター・カー”に対する回答として、アウディが99年に発売したコンパクト・カーだ。



その最大の特徴は初代A8が先鞭をつけたオールアルミのASF(アウディ・スペース・フレーム)を採用したことで、1.2リッター直3SOHC・TDI搭載車は車重895kgを実現。見事に33.3km/リッターの燃費を達成し、話題となった。

ところが、製造コストが高かったことに加え、セールス面では115万台以上を記録したメルセデス・ベンツAクラスに対し、約17万台と苦戦したこともあり、05年をもって一代限りで消滅。またガソリン仕様にATの設定がないこともあって、日本には正規輸入すらされなかった悲運のモデルでもあった。

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

PICK UP