2022.07.06

CARS

GRスープラもライバル マクラーレン・アルトゥーラにGT4仕様が登場

マクラーレンは最新のハイブリッド・スポーツカーであるアルトゥーラをベースにしたカスタマー向けレース・カー、「アルトゥーラGT4」を英国グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで公開した。これまでの570S・GT4の後継車として市販化される予定だ。

空力パーツを多数装着

エクステリアは公道仕様のアルトゥーラをベースに、フロントに専用のスプリッターやカナード、ボンネット・ダクトを装着するとともに、リアには7段調整式のウイングを追加。脱着式ボンネットやリア・ウイングを取り外さずにボディ・パネルを脱着できるGパイロン式リア・ウイングを採用することとでメンテナンスを容易にしている。



レースに必要な装備も充実

室内はシート固定式で、ドライビング・ポジションは可動式のペダルボックスで調整。オプションで様々なサイズのシートが選択でき、助手席を設置することも可能だ。また、V-Boxテレメトリーや衝突回避用レーダー、耐久レース向けの追加ライトやドリンク・システムなどレースに必要な数多くの装備が用意されているので、レース・カテゴリーやサーキットに応じてカスタマイズすることができる。



レギュレーションによりハイブリッドは排除

エンジンは公道仕様と同じV6ツインターボだが、レギュレーションでハイブリッド・システムの装着が認められていないため、モーターをはじめとするハイブリッド関連パーツはすべて取り払われている。そのため、パワートレインは公道仕様よりも130kg軽い。駆動用バッテリーが搭載されていたスペースに燃料タンクや駆動系の補助システムを収納することで重量物を低く、そして車体の中心寄りに集中させている。2基のターボは120度のVバンク内に設置される。

従来の570S・GT4に搭載されていたV8よりスロットル・レスポンスと燃費を向上。制御系はボッシュ・モータースポーツ製のECUを用い、レース・カー用のワイヤー・ハーネスは整備性を高めるためモジュール式となっている。

公道仕様ではモーターを逆回転させることで後進するため、バック・ギアを持たない8段式のトランスミッションを装着しているが、アルトゥーラGT4は規定に適合させるため、前進7段+後退1段の一般的な変速機が備わる。リアには機械式LSDが新たに採用され、570S・GT4の電子制御スタビリティプログラムよりブレーキ摩耗と燃料消費を抑制した。

シャシーは公道仕様のアルトゥーラで導入されたマクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー(MCLA)のカーボン製モノコックがベースとなっている。570S・GT4に対してフロントが太くなったタイヤはピレリとの共同開発で、グリップ向上と性能劣化抑制を図った。

今後はさらなる開発とテストを重ね、2023年シーズンからのレース参戦に備えるという。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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