2022.08.29

WATCHES

最高峰の複雑機構とスケルトンで世界が驚嘆したグランドセイコー

かつての「ジュネーブSIHH」と「バーゼルワールド」の主役級ブランドが一堂に会し、今年はリアルで開催された世界最大の時計フェア「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2022」。「ワンダーズ」という言葉に象徴されるように、数々の時計には新たな発見と驚きがいっぱいだ。

シリーズ第17弾は、「グランドセイコー」。時計ジャーナリストの菅原 茂氏とENGINE編集部時計担当の前田清輝がその魅力を解説する。

日本からもついにコンスタントフォース・トゥールビヨンが!

海外でも高級時計としてのステータスを着実に築くグランドセイコー。今年ジュネーブから世界に発信したのは、なんと画期的な技術で作り上げた新作のコンスタントフォース・トゥールビヨンだ。以前はコンセプトムーブメントしか存在しなかったが、今回のウォッチズ&ワンダーズへの初参加に合わせ、全力を投じて実際の時計に仕上げたのだろう。最高峰の複雑機構のみならずスケルトンのデザインも完成度を極め、海外の専門家たちを驚嘆させるに十分だった。この誇るべき快挙によってグランドセイコーはオートオルロジュリーの一員になった。



Kodo(鼓動)コンスタントフォース・トゥールビヨン
グランドセイコー初の機械式複雑時計は、世界で初めてコンスタントフォース機構とトゥールビヨン機構を同軸に一体化して組み合わせ、新次元の安定した高精度を実現する。手巻きムーブメントのキャリバー9ST1はまた、機構を露わに見せ、空間に独特の奥行き感を演出するスケルトンのデザインも絶妙だ。プラチナ、ブリリアントハードチタン、ケース直径43.8mm、10気圧防水。世界限定20本。4400万円。10月発売予定。



エボリューション9 コレクション
スプリングドライブGMT
1967年に44GSで確立したデザイン文法を継承しながら現代の新しいデザインへと進化させた「エボリューション9スタイル」にスプリングドライブ搭載コレクションを新たに発表。そのGMTモデルは、信州の山の朝霧を模した繊細な模様を施したライトグレーとブラックが揃う。ブライトチタン、ケース直径41mm、10気圧防水。各96万8000円。

菅原 トゥールビヨンの実機を手に取ることができた。ぱっと見ただけではハイコンプリケーションというよりは、通常のスケルトンウォッチのように見える。複雑機構を強調しすぎないデザインやプラチナの落ち着いた輝きは日本人の美意識にもぴったり。国産腕時計で4400万円という破格のプライスもインパクト絶大だ。

前田 2017年にブランドとして独立し、バーゼルからジュネーブへと発表の場を移したグランドセイコー。そのデビューを華々しく盛り上げたコンスタントフォース・トゥールビヨンを搭載した「Kodo」は、機構もさることながらムーブメントの美しさを引き出すデザインも秀逸! 世界での評価がますます高まること間違いない。

文=菅原 茂/前田清輝(ENGINE編集部)

(ENGINE2022年7月号)
※価格は雑誌掲載時のものです。

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