2022.09.26

CARS

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ポール・スミスの MINIがやって来る! 2台のスペシャル・モデルが日本に上陸!

10月上旬、2台のスペシャルなMINIが東京にやってくる。1台はMINI『クーパーSE』をベースにしたワンオフ・モデル、そしてもう1台は懐かしい『ローバー・ミニ』をフル電気化したもの。いずれもポール・スミスらしいひねりの効いた遊び心あふれるモデルだ。

ポール・スミスとコラボした、
2台のスペシャル・モデル


1959年に英国で生まれた名車、MINI。このMINIと深い関係にあるのが、英国を代表するファッションデザイナーであるサー・ポール・スミス(以下、ポール)だ。



MINIが好きな読者はよくご存知だと思うが、1997年の東京モーターショーで、ポール・スミスのアイコンであるマルチストライプでボディを彩った1台の特別仕様車が展示された。その人気の高さを受けて、翌98年にポール・スミス仕様の限定車(1800台)が登場したのだ。

また、マルチストライプで彩られたMINIを模したカフリンクスや革小物といったアクセサリー類を現在も商品にラインナップするなど、MINIとポール・スミスはじつに深い関係にある。



そんなMINIをこよなく愛するポールが新たに手がけたMINIが日本にやってくる。しかも、2台もいっぺんに!

1台は『Paul Smith MINI STRIP』。日本未導入のフルEVであるMINI『クーパーSE』をサステナブルな視点からカスタムしたものだ。そして、もう1台は『Paul Smith × MINI RECHARGED』。先述の98年に登場した限定車のエンジンを電気モーターに載せ替えてアップサイクルする"MINIリチャージ・プロジェクト"をベースにしたものだ。

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今回ピックアップするのは、昨年8月にロンドンで発表された『Paul Smith MINI STRIP』。ハッチバックのMINI『クーパーSE』をベースに、ポールならではのエッセンスを内外装に散りばめた1台限りのカスタムメイドだ。

そもそもポール・スミスというファッションブランドは、英国の伝統的なテーラリングをベースに、遊び心あるデザインや着こなし、そして素材の見せ方などで独自のスタイルを提案してきた。今回のMINIとの共同作業でも、そのスタイルが見事に生かされている。



まず、MINI『クーパーSE』を分解し、本質的な構造にまで削ぎ落とす(ストリップする)ことで、この車両の開発はスタートした。脈々と受け継がれてきたMINIのデザインはそのままに必要なフレームのみを残すことで、ミニマルな外観に仕上げている。

ボディの亜鉛メッキ鋼板には工場での研削痕をそのまま残し、あえてカラー塗装を施さず、腐食防止のための透明な薄いフィルムを貼っただけの未完成の状態。この意図的な粗仕上げの手法は、ポール曰く「完璧な不完全さ」なのだ。



そして、サステナビリティを前面に押し出しながら、ポールが絶対に必要だと考える要素のみを定義し、実装し、配置されたという。たとえば従来のレザーやクロームといった素材は、コルク、ゴム、再生プレキシガラスなどのリサイクル/再生可能な素材に置き換えられている。

一般的なコラボレーションではありえないような独創的な仕様を実現するのが、ポール・スミス流だ。

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スペシャル・モデル その1
ワンオフのカスタムメイド!

2021年8月にロンドンで発表されたMINIとポール・スミスが共同開発した1台限定のカスタムメイド車両『Paul Smith MINI STRIP』。「透明性」、「シンプルさ」、「持続可能性」という3つのテーマをもとにMINI『クーパーSE』を分解することからカスタムがスタートした。

 大型のパノラマ・サンルーフに再生アクリル・ガラスを使用し、ボディ構造がほぼむき出しになった内装を道ゆく人々も見て楽しむことができる。

エクステリアで目を惹くのは、大型のパノラマ・サンルーフだ。再生アクリル・ガラスを使用し、ボディ構造がほぼむき出しになっている。道ゆく人々がインテリアを見て楽しむことができる。
また、グリル・カバーとホイールのエアロ・プレートは、再生プレキシガラス製。軽量化するだけでなく、資源も節約している。



エクステリアと同様に、インテリアも極限まで要素を削ぎ落している。ダッシュボードのトッパー・パッド、ドア・パネル、リヤ・シェルフの形状もシンプル化、素材には再生コルクを使用している。人工的な結合剤なしで成形できるコルクは、完全にリサイクル可能なものだ。レザーやクロームといった素材も一切使用されておらず、シートにはニット・テキスタイルが張られている。

センター・メーターパネルはなく、代わりにドライバーのスマートフォンが通常のセンター・ディスプレイの位置に設置され、メディア・コントロール・センターとなる。

また、インテリアにブルーのカラーリングが施されているのは、ポールの希望によるもの。むき出しの基本素材のなかに、ブルーが際立つ。

スペシャル・モデル その2
クラシックMINIがEVに!

今年6月にイタリア・ミラノで開催されたミラノサローネ国際家具見本市で公開されたモデル。1998年の特別仕様車「ローバー・ミニ・ポール・スミス・エディション」をベースに、MINIリチャージ・プロジェクトで電気自動車化した『Paul Smith × MINI RECHARGED』。



クラシックな外観と特徴的なブルーのペイントはそのままに、直4エンジンと4速トランスミッションに替わり、72kWを発生する最新の電気モーターとリチウムイオンバッテリーを搭載。1990年代のクルマを現代に蘇らせている。



金属がむき出しとなった車内は、1998年型のローバー・ミニ以上にクラシックな印象だ。

このユニークなコラボレーション・モデル2台は、10月7日(金)から東京でお披露目される。ここでは紹介しきれなかった外装や内装のディテールは、ぜひイベント会場で確認していただきたい。実際に目にするのが今から楽しみだ。



MINI × Paul Smith in 東京

会期/2022年10月7日(金)~12日(水) 11:00~20:00
場所/BA-TSU ART GALLERY(東京都渋谷区神宮前5-11-5) 
入場料/無料
問い合わせ/MINIカスタマー・インタラクション・センター Tel. 0120-3298-14

※会場内の混雑緩和のため、来場受付用フォームへの事前入力にご協力ください。

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文=小林尚史(ENGINE 2022年 11月号 再構成・加筆)

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