クラシックを纏う　ドライブシーンにも映える、ヴァシュロン・コンスタンタンの2モデル

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時計を嗜むということは、時と人間が紡いできた文化と歴史に敬意を払うということでもある。いにしえの技術から導き出された時計たちには、タイムレスな魅力がある。それはどんな時代も、流れる時間を美しく彩りたいと考えてきたからに他ならない。

1755年に創業したヴァシュロン・コンスタンタンは、ジュネーブの伝統的な時計文化を紡いできた。そのクラシカルな時計には、260年を超える歴史という時間が流れている。

今回はヴァシュロン・コンスタンタンの現行モデルから、1920年代に米国人コレクターのオーダーから生まれたタイムピースを現代のテイストを加えて蘇らせた「ヒストリーク」コレクション、そして1950年代の時計たちの美しき遺産を引き継ぐ「パトリモニー」コレクションから2モデルを紹介する。

撮影車両はオースチン・ヒーレー100/4 BN-1（1953年）。

時代を超える、
スタイリッシュなデザイン

昨年「アメリカン1921」の100周年を迎えたヴァシュロン・コンスタンタンは"伝統的でありながら遊び心のある"時計を数多く生み出してきた。時には時計愛好家のオーダーに応え、またある時はデザイナーや時計師たちの創造性を形にした。そうした歴史的傑作を、現代に蘇らせたのが「ヒストリーク」コレクションである。

ブルゾン24万2000円（1945 CA）、パンツ2万5300円（ストラスブルゴ／ともにストラスブルゴ Tel.0120-383-563）

ブルゾン24万2000円（1945 CA）、パンツ2万5300円（ストラスブルゴ／ともにストラスブルゴ Tel.0120-383-563）

ここから生まれるタイムピースは、単なる懐古主義ではない。当時の空気感を内包したまま、ムーブメントやケースサイズなどを現代的にアップデートすることで、時計をさらに価値あるものにしている。

"古い"だけでは時代を超えることはできない。適切に進化しつつ文化を守ることが、いつまでも魅力を失わないために求められる。それはヴァシュロン・コンスタンタンが、大切にしていることともつながっている。

運転中も時刻確認が容易！

"狂騒の20年代"といわれる1921年に、米国人コレクターのオーダーから生まれたタイムピース。この『ヒストリーク・アメリカン 1921』のダイヤル表示が45度回転しているのは、運転中でも時刻確認を容易にするため。オリジナルモデルは左上の隅にリュウズと12時が配置されたが、より視認性を高めるために現在のデザインへと進化した。手巻き。ホワイトゴールド、ケース縦40×横40mm。3気圧防水。523万6000円。

ケース径36.5mmの
小ぶりなバリエーションも！

デザインコードは統一しつつ、ケース径を小ぶりな36.5mmにしたユニセックスモデル。ストラップは、ミラノの高級皮革ブランド「セラピアン」が製作している。手巻き。ホワイトゴールド、ケース縦36.5×横36.5mm。3気圧防水。431万2000円。

搭載するムーブメントは自社製のCal.4400 AS。大きなブリッジには、繊細なコート・ド・ジュネーブ仕上げを施し、品質規格である「ジュネーブ・シール」も取得済みだ。

◆ヴァシュロン・コンスタンタンの詳しい情報はコチラ！◆

1950年代に誕生した、
完璧なラウンドシェイプ

そしてもう1本は『パトリモニー・ムーンフェイズ&レトログラード・デイト』。この“パトリモニー”とは"遺産"のこと。腕時計の黄金期である1950年代の時計たちの美しき遺産を引き継いでいるのが、ヴァシュロン・コンスタンタンの「パトリモニー」だ。

ケースやラグは柔らかなカーブを描き、バーとくさび型を組み合わせるインデックスやほっそりとした繊細なペンシル型の針、ドット型のミニッツトラックなどは、個性を主張しすぎない。

時計は男性にとってはアクセサリーのひとつであるが、あまりにも時計が目立ちすぎるのは考え物だ。あくまでもその人にそっと寄り添い、正確に時を告げる。そんな"実用品"としての時計の本質に、さりげない色気を加えるというのが、老舗時計ブランドらしいバランス感覚。品格ある時計とは、こういうものなのだ。

ドレッシーながら遊びも十分。

始点から扇状に運針し、終点にたどり着くとフライバックして再び動き始めるレトログラード針をカレンダー表示に採用する『パトリモニー・ムーンフェイズ&レトログラード・デイト』。時計の上半分をフルで使った大きな表示はかなり個性的。ケース径も42.5mmと大きめなので、ダイヤル上は混み合うことなく、視認性も良好。自動巻き。ホワイトゴールド、ケース径42.5mm。3気圧防水。638万円。

ピンクゴールド・ケースの
バリエーションにも注目！

6時位置のムーンフェイズ表示は、約122年に一日分しか誤差が生じないという高精度設計。時の流れを優雅に楽しむドレスウォッチだ。自動巻き。ピンクゴールド、ケース径42.5mm。3気圧防水。638万円。

『パトリモニー・ムーンフェイズ&レトログラード・デイト』に搭載されるムーブメントは、自社製のCal.2460 R31L/1。レトログラード・デイトやムーンフェイズを搭載し、自動巻きながらムーブメントを厚さ5.4mmと薄くまとめた。

ヴァシュロン・コンスタンタンの詳しい情報はこちら！

問い合わせ＝ヴァシュロン・コンスタンタン Tel.0120-63-1755

文＝篠田哲生　写真＝宇田川淳　スタイリング＝土田拓郎　グルーミング＝柳澤宏明　モデル＝Victor

（ENGINE 2022年 11月号）

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