2022.10.13

LIFESTYLE

映画『スペンサー ダイアナの決意』『プリンセス・ダイアナ』 “民衆のプリンセス”はなぜかくも愛されたのか? 

難役に挑んだクリステン・スチュワート。Photo credit:Pablo Larrain

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ロイヤル・ファミリーがすべて実名で

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本作で語られる3日間は、あくまで想像に基づく物語である。だがダイアナ妃はもちろんのこと、ロイヤル・ファミリーのメンバーはすべて実名で登場。世間を賑わせたイギリス王室内の確執が生々しく伝えられる。

終始、ダイアナ妃の目線から語られる本作は、どこか一人芝居のような趣を持つ。この難役に挑んだのはクリステン・スチュワート。アメリカ人である彼女は、ダイアナ妃が話すブリティッシュ・アクセントや仕草を完璧にマスターした。絶望しながらも希望を捨てないダイアナ妃の複雑な内面を表現し、昨年度のアカデミー賞に見事ノミネートされている。

本作の公開に先立ち『プリンセス・ダイアナ』というドキュメンタリーも公開される。一切のナレーションや解説を排し、婚約発表から結婚、出産、別居、死去までの十余年を、貴重なアーカイブ映像で綴った作品だ。

彗星のごとく現れた“民衆のプリンセス”は、なぜイギリス国民のみならず、世界中の人々をここまで魅了したのか? 2つの映画から浮き彫りになる、不屈の精神をもつヒロインの姿に、その答えはきっと見つかるはずだ。



『スペンサー ダイアナの決意』
ダイアナ妃に扮したのは『トワイライト』シリーズで一躍、スターとなったアメリカ人女優のクリステン・スチュワート。監督はチリ出身のパブロ・ララインと、国際的なキャスト、スタッフが集結した。117分。10月14日(金)、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー。配給:STAR CHANNEL MOVIES Photo credit:Pablo Larrain  


『プリンセス・ダイアナ』
チャールズ皇太子との婚約を発表する直前の10代の姿から、36歳で衝撃の事故死を遂げるまで、ダイアナ妃の半生を、膨大なアーカイブ映像で綴ったドキュメンタリー。可憐な少女が、自分の意思を持った大人の女性に変貌していく様子が手に取るように分かり興味深い。109分。9月30日(金)TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamura ル・シネマほか全国ロードショー。配給:STAR CHANNEL MOVIES (C)Kent Gavin 


文=永野正雄(ENGINE編集部)

(ENGINE2022年11月号)

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