2022.11.17

LIFESTYLE

鑑賞後に食べたくなるのは意外なもの? 映画『ザ・メニュー』で味わう恐怖のフルコース

ミステリアスなシェフに扮したのは名優レイフ・ファインズ。

全ての画像を見る
孤島のレストランに招待されたゲストの恐怖体験を描いた『ザ・メニュー』。美食家たちが味わう驚愕のフルコースをご堪能あれ。

本物のミシュラン・シェフが協力

ロンドンの人気レストランの狂騒を90分ワンショットで描いた『ボイリング・ポイント/沸騰』。18世紀のフランスを舞台に、庶民のためのレストランを開業しようと奮闘する元宮廷料理人が主人公の『デリシュ!』。2022年は食をテーマにした見応えのある映画が立て続けに公開されたが、今秋、そこにもう1本の作品が加わる。

名優レイフ・ファインズが、カリスマ・シェフに扮した『ザ・メニュー』。美食だけでなく、スリルと恐怖も味わえる異色のサスペンスだ。

アメリカ北西部、太平洋沖の孤島に佇む、世界一予約の取れないレストラン。高名なシェフに招待された映画俳優やIT長者、料理評論家など5組の男女が、ひとり1200ドルのディナーを楽しむためにやってくる。だが店に足を踏み入れると、隅には虚ろな表情をした老婆の姿が。不穏な空気が漂う中、威圧的なシェフによる講釈と共に出されたのは、パンのないパン皿。そこから始まるのは恐怖のフルコースだった……。



アガサ・クリスティの小説を連想させるようなオープニングだが、次に何が起きるのか本当に予測のできない作品だ。ホラー的な要素もありながら、ガストロノミーを取り巻く昨今の風潮を皮肉った内容は、スパイスの効いたブラック・コメディのようでもある。本物のミシュラン・シェフが協力した劇中の料理にも注目だが、作品を見終わった後に無性に食べたくなるのは、これまた意外な食べ物である。



■本作の料理は米サンフランシスコのミシュラン3つ星レストラン『アトリエ・クレン』のドミニコ・クレンの協力でつくられた。実際に食べることのできるそれらの料理は、登場するキャラクターの心を表現すべく、美しいけれど冷たいものになるようにしたという。ミステリアスなシェフを演じるレイフ・ファインズは『シンドラーのリスト』と『イングリッシュ・ペイシェント』で2度、オスカーにノミネートされた名優。ヒロイン役のアニャ・テイラー=ジョイは、ネットフリックスの『クイーンズ・ギャンビット』で大ブレイクした。監督はマーク・マイロッド。108分。

『ザ・メニュー』は11月18日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開  
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン (C)2022 20th Century Studios. All rights reserved.

文=永野正雄(ENGINE編集部)

(ENGINE2022年12月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement