2022.10.13

LIFESTYLE

映画『スペンサー ダイアナの決意』『プリンセス・ダイアナ』 “民衆のプリンセス”はなぜかくも愛されたのか? 

難役に挑んだクリステン・スチュワート。Photo credit:Pablo Larrain

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エリザベス女王の逝去で、再び世界的な注目を集める英王室。そんな中、25年前に亡くなった“民衆のプリンセス”を描いた作品が公開される。

狂気の渦に飲み込まれ……

寂しげなイギリスの田舎道を走るポルシェ911。同乗者のいないこのスポーツカーのハンドルを握るのは、かのダイアナ妃である。地元の人々で賑わう食堂の前にクルマを停めた彼女は、店に入り、驚く従業員にこう尋ねる。「わたし、道に迷っているの。ここはどこかしら?」。

映画『スペンサー ダイアナの決意』は、1991年当時、ダイアナ妃が抱えていた苦悩を象徴的に表すシーンから始まる。彼女が向かう先は、エリザベス女王の私邸であるサンドリンガム・ハウス。これから3日間、ロイヤル・ファミリーのメンバーとクリスマス休暇を過ごすのである。

ダイアナ妃の最大の悩みは、冷え切ったチャールズ皇太子との関係だ。彼女は、夫から贈られた真珠のネックレスを夕食の席で身に着けるが、そのネックレスは夫の愛人、カミラ夫人が持っているのと同じもの。子供たちをめぐる夫婦の会話もまったく噛み合わない。



そんな彼女が自身の姿を投影するのはアン・ブーリン。16世紀初頭にヘンリー8世の寵愛を受けながらも、新しい妻を娶りたい王に疎まれ、最後には処刑された悲劇の王妃だ。暖房もつけない寒い屋敷の中、孤立を深めていくダイアナ妃は、現実とも妄想ともつかない狂気の渦に飲み込まれていく……。

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