2022.11.28

LIFESTYLE

イギリスで大ブレイク! 新潟出身の歌姫リナ・サワヤマに注目!

世界が注目の歌姫

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幼少時にロンドンに移住した新潟出身のリナ・サワヤマ。最新アルバムが大ヒット中の、彼女の音楽の魅力に迫る。

日本人アーティストとして史上最高位

リナ・サワヤマが9月16日にリリースした2ndアルバム『ホールド・ザ・ガール』が全英アルバム・チャートで初登場3位を記録。これは日本人アーティストとして史上最高位となる大記録だ。因みにそのときの1位は韓国のブラックピンクの新作。欧米シーンに新しい風が吹いているのを感じずにはいられない。

リナ・サワヤマは、新潟県出身で、5歳のときに家族とロンドンに移住。ケンブリッジ大学で政治学、心理学、社会学を学び、卒業後、本格的にアーティスト活動をスタートさせた。エルトン・ジョンは早くからサワヤマの才能と姿勢に惚れこんでラジオ番組に呼び、彼女をサポート。自身の作品でデュエットもした。またサワヤマはパンセクシュアル(あらゆる性別の人が恋愛対象になる人)であることをカミングアウトし、LGBTQコミュニティでも強く支持されている。今年8月のサマーソニックでは、日本がG7の中で唯一、同性婚が認められていない国であることに触れ、「これは恥ずかしいこと。愛は愛、家族は家族です。一緒に戦ってください」と話して称賛を浴びた。



自己肯定の大切さ

そんな彼女の新作『ホールド・ザ・ガール』は、全ての面で前作からスケールアップ。怒りを表した曲もあるが、それよりも過去の自分に向き合い、自己を肯定することの大切さを訴えている。なかなか肯定できずにいる弱者に寄り添うことにも重きを置いているように感じとれる。

多くの曲のメロディは非常にキャッチーで、わかりやすい。10代・20代の女の子ならホーム・パーティやカラオケで盛り上がって歌いたくなるだろう、そんな曲が多い。リード曲の「This Hell」は、ブリトニー、ダイアナ妃、ホイットニーらを苦しめた最低なパパラッチが存在する地獄のような世界でも愛とコミュニティを祝福しようといった内容の毒舌ポップ。またポップロックの「Hurricanes」にはスタジアムに映えるスケールとアンセム感があるし、ほかにも初期レディー・ガガ的な昂揚感を持つ曲があれば、セリーヌ・ディオンの豊かな歌唱を想起させるバラードもある。広い目で社会を捉え、力強いメッセージを覚えやすいメロディに乗せて歌う、そんなリナ・サワヤマの作品は、歌詞もよく聴いて考えながら楽しみたい。



文=内本順一(音楽ライター)

(ENGINE2022年12月号)

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