時計選びの基準が新たな局面に入ってきた。
これまでは使用するシーンを意識したルール的なものが存在したが、今は自身の”個性”や時計の持つ”物語”をより重視するように。性別やスタイルを超えたデザインやサイズ、また、環境に配慮した素材や従来の常識を覆す性能、異ジャンルとのコラボレーションなど、新たな取り組みが増えてきている。
そんな”これから”の時計選びの楽しみ方を「ダイバーシティ」という要素に注目し、「ハリー・ウィンストン」渾身のモデルの魅力を通して紹介する。
荘厳な輝きに包まれた2つのレトログラード機構
”キング・オブ・ダイヤモンド”と称賛されるハリー・ウィンストンは、ウォッチメイキングでも優れたクリエイティビティを発揮してきた。時計市場に参入したのは、1989年のこと。そのファーストモデルのひとつで、早くも高い独創性を実現している。パーペチュアルカレンダーの日と曜日の各表示を、それぞれレトログラードとしたのだ。以来「バイレトログラード」は、ブランドを象徴する機構となった。
このモデルも、オフセットダイアルを支えるかのように、30秒と曜日表示の2つのレトログラードが左右に鎮座する。乳白色のダイアルは、マザー・オブ・パール製。日付を含むすべての表示が、ダイヤモンドで縁取られている。ベゼルとニューヨーク本店のファサードをモチーフとしたリュウズガードを兼ねる2本のアーチ、ラグとケース側面、さらにストラップのバックルにもダイヤモンドがセットされ、その総数は367個で、約4.5カラットにも及ぶ。最上級のダイヤモンドと凝ったメカニズムとで、機械式時計のバリューを高める手法は、まさにハリー・ウィンストンの真骨頂である。42.2mmと大型だが、今やサイズで時計を男女に分けるのは時代遅れだ。その絢爛たる輝きは、マスキュリンな装いを好む女性の腕にもふさわしい。
HW オーシャン・バイレトログラード オートマティック 42mm
オフセットダイアルの中央は同心円の、2つのレトログラード内は波模様の、ギヨシェ装飾が彩る。マザー・オブ・パールに繊細な彫りを施すには、高い技術を要する。ダイヤモンドをセットした三角形のアクセントが、日付表示に視線を誘う。裏側に姿を見せるオープンワークを施したホワイトゴールド製の自動巻きローターは、手作業で仕上げられている。自動巻き。ホワイトゴールド、ケース直径42.2mm、10気圧防水。1053万8000円。
腕に着けた時、どの角度から見てもダイヤモンドが煌めく。一方ケースは、ヘアラインでマットに仕立てた。機構に凝ったスポーツウォッチだが、ケース厚は10.62mmに抑えられている。
◆ハリー・ウィンストンの詳しい商品情報についてはコチラ!
問い合わせ=ハリー・ウィンストン クライアントインフォメーション Tel.0120-346-376
文=高木教雄 写真=近藤正一
(ENGINE 2023年1月号)
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