複雑に機能する時計のムーブメントは、もはや小宇宙といっても過言ではない。スーパースポーツカーにとってエンジンが大切なように、時計選びもエンジン=ムーブメントがキモなのだ!
腕時計が搭載するエンジン=ムーブメントが経てきた進化は、まず小型化、そして多機能化、最後が高精度化だ。時計の精度を司る調速脱進機は、ヒゲゼンマイを使って錘(テンワ)を自由振動させることが基本である。
この周期をできるだけ一定に保つほど精度が向上するが、ヒゲゼンマイの向き(巻きだし位置)が変化すると、その中に精度を追い込むことが苦手なポジションが出てくる。これを姿勢差誤差と呼び、そ の影響を平均化しようという試みがトゥールビヨンだ。そして腕時計化が最も困難だった機構の代名詞でもある。
ハリー・ウィンストンが連作する「イストワール・ドゥ・トゥールビヨン」は、先人たちの偉業に敬意を表し、さらなるトゥールビヨンの可能性を追求してきた。
シリーズ最終章となる本作では、4つの1軸トゥールビヨンを差動歯車(ディファレンシャルギア)を介して連結し、より正確な時分表示を目指した。横長のレクタンギュラーケース内には、左右一対のキャリッジを、大きく翼を拡げたようなバランスブリッジで固定。ベゼルを細く絞ったデザインで、腰高な一枚のサファイアクリスタル風防越しにメカニズムが堪能できる。
文=鈴木裕之 写真=近藤正一
(ENGINE2021年1月号)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
advertisement
2024.07.20
CARS
クルマは「自由な時間をくれる相棒」という漫才師のオール巨人さん 愛…
PR | 2024.06.28
WATCHES
宇宙のロマンがここにある! 壮大なる宇宙の風景を表現する限定モデル…
2024.07.03
CARS
「プレジデントは愛人です」という俳優の寺島 進さん、43歳で買って…
PR | 2024.07.16
WATCHES
ザ・シチズンの100周年記念限定モデルの文字盤はなんと、藍染和紙!…
2024.06.29
LIFESTYLE
MASERATI GranTurismo × FENDI スタイリ…
PR | 2024.07.16
WATCHES
パテック フィリップは旅時計も超複雑時計も革新・進化を続ける! シ…
advertisement
PR | 2024.07.17
アバルト695の最後の限定車、「695 75°アニヴェルサーリオ」が350台限定で登場
2024.07.20
クルマは「自由な時間をくれる相棒」という漫才師のオール巨人さん 愛車は5リッターV8マニュアルの素敵なBMW Z8
2024.07.03
「プレジデントは愛人です」という俳優の寺島 進さん、43歳で買って17年を共にした愛車が工場入り 動かなくなっても持ち続けるという言葉がジンとくる
2024.07.10
500馬力のスーパースポーツよりマツダ・ロードスターのほうが上の理由とは? モータージャーナリストの斎藤慎輔がズバリ指摘するND型ロードスターの魅力
2024.07.18
アウディA4がフルモデルチェンジ A5に改名した理由や、一新された外観や進化した中身を解説