2021.10.04

WATCHES

思わずひと目惚れする時計「ハリー・ウィンストン」篇 造形美が際立つエメラルドカット!

なぜ? と聞かれてもうまく言えないが、一瞬で好きになってしまうことがある。人も時計も。相手が人ならともかく、一体時計のどこに我々はこれほどまでに惹かれるのだろう。容姿端麗なデザインか、才色兼備のメカニズムか、はたまた運命の糸がそうさせるのか。そんな恋の始まりを予感させる、まさにその名にふさわしいエメラルドのような輝きを放つハリー・ウィンストンの注目モデルを取り上げ、その魅力を時計ジャーナリストの鈴木裕之氏が解説する。

ケース、そして色。時計そのものがジュエリーのような輝きを放つ

“キング・オブ・ダイヤモンド”と呼ばれるハリー・ウィンストンの神髄を宿す「HW エメラルド」。創始者の愛したエメラルドカットに着想を得たケースは、端正なドレスウォッチとしての魅力を放つ。ミニサイズの女性向けジュエリーウォッチから発展したデザインだが、幅33mmの堂々たるケースはレトロモダンな雰囲気を滲ませる。よりドレッシーに装いたいのなら2針のクオーツ、デイリーユースを重視するなら3針の自動巻きから選べるのも嬉しい。適度にエッジを立たせたベゼルの造形は、ダイアル外周にも盛り込まれ、エメラルドカットの造形美を際立たせている。注目したいのはダイアル表面の処理で、「HW エメラルド」ではザポナージュを施していないのだ。ザポンとは表面保護を主目的としたクリア塗装を指すが、この厚みや粗さでダイアルのニュアンスは大きく変化するし、光輝感やぎらつき感を適度に馴染ませる効果もある。敢えて“ザポンをかけない”という選択肢が、ダイアル表現の幅を拡げ、ブリリアントな質感をあたえたのだ。





HW エメラルド・オートマティック 33mmの「ココに胸キュン!」

ブルーからブルーブラックへのグラデーションダイアルは、ザポンをかけないことでサテン目の光輝感を強く感じられる。また、約72時間のパワーリザーブを誇る自動巻きムーブメントはデイリーユースに最適だ。クオーツにはない3針のレイアウトも利便性が高い。デイト表示窓も全体のデザインと調和している。

HW エメラルド・コレクションに加わった待望のメンズモデル。ケースとダイアルの双方で、創始者が最も愛したエメラルドカットを表現。デイト窓の縁枠もこのデザインに揃えられている。ダイアルのブルーグラデーションは下地のサテンを強調することで、光輝感を増している。自動巻き。18Kホワイトゴールド、ケースサイズ縦39.3mm×横33.3mm、3気圧防水。253万円。

文=鈴木裕之 写真=近藤正一

(ENGINE2021年8月号)

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