2023.01.27

LIFESTYLE

城は最高のエンターテインメントだ! なんと天守閣もレンタルできる!? いま歴史ファンが大注目の岡山城が凄い!! 

“烏城”の名前で親しまれる岡山城

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2022年11月にリニューアル・オープンした岡山城が大人気だ。体験型の施設が充実しているだけでなく、天守内で会議やパーティも開くことができるという。

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3週間で5万人が来場

漆黒の外壁から“烏城(うじょう)”の名前で親しまれる岡山城。1597年に豊臣秀吉の家臣、宇喜多秀家の手により築城された日本百名城のひとつで、不等辺五角形の珍しい天守でも知られる。1945年の空襲でいったんは焼失したが、1966年に往時の姿を偲ばせる天守を再建。1996年には伝承に従い、天守に乗る金鯱や鬼瓦に金箔が施された。



その岡山城が、1年5カ月をかけた“令和の大改修”を終え、11月3日にリニューアル・オープンした。改修費用は約17億円。濃い黒に塗り直された外壁と、金箔瓦のコントラストが壮観の新生・烏城を観ようと、来館者の数は3週間で5万人にも達したのである。



天守で会議やパーティも

岡山城の見どころは美しく蘇った外観だけではない。地元出身の歴史学者、磯田道史氏による監修の元、地下1階から6階までのフロアが、体験・体感型の施設として生まれ変わったのだ。宇喜多、小早川、池田と続く歴代城主のドラマを映像で流したり、岡山の町の成り立ちをプロジェクション・マッピングで見せたりするほか、来館者が乗り込んだり、手にしたりすることができる駕篭や刀、火縄銃などのレプリカも展示している。

だが異色なのは、夕方5時半以降、1回10万円、定員100名で、天守の一部を一般に貸し出すことである(2階は文化財保護のため利用不可)。広々とした1階の多目的スペースでは飲食も可能で、企業の会議や懇親会など幅広く活用ができる。追加料金を払えば、ライトアップされた天守をバックに、屋外パーティを開くこともできるのだ。



訪れるだけの城から、触って、学んで、遊べる城へ。こういった傾向は他所でも顕著だ。2022年に築城400年を迎えた福山城では、夜間のライトアップを世界的照明デザイナーの石井幹子さんに依頼。ゲーム感覚で馬の模型にまたがる体験コーナーなども充実している。そして2023年のNHK大河ドラマで話題の徳川家康生誕の城、岡崎城。こちらはAR(拡張現実)などの最新技術を取り込みながら、1階から5階までのフロアを一新する。

一部の歴史ファンだけでなく、幅広い層が楽しむことのできる日本の城は、今や誰もが参加できる最高のエンターテインメント施設なのである。



文=永野正雄(ENGINE編集部)

(ENGINE2023年2・3月号)

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