2023.03.03

LIFESTYLE

発表直前! 2023年アカデミー賞の見どころは、ぶっ飛びSFカンフー・アクション vs. スピルバーグの自伝的映画

女性アクション・スターといえばこの人!

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スピルバーグの青春時代

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この奇想天外なアクションに対抗する今年のオスカー、もう一本の大本命作が『フェイブルマンズ』。スティーヴン・スピルバーグ監督が自身の青春時代を振り返った、自伝的作品だ。



6歳の時に観たセシル・B・デミル監督『地上最大のショウ』に心を奪われたサミー・フェイブルマン(スピルバーグの劇中名)。父親に8ミリカメラを買ってもらった彼は、幼い妹たちを役者に起用し、映画を撮り始める。

スピルバーグの自伝映画と聞けば、世界一有名な映画監督が生まれるまでの成功譚を期待する向きもあろう。だがここで描かれるのは、どこにでもいそうな、それでいて身内間の秘密も抱えた一家族の物語である。家族思いだが現実的な父親、芸術家気質で浮世離れした母親……。巨匠の記憶に残る両親は、子供たちに対する愛情がありながらも、脆さや欠点を持ち合わせた生身の人間である。スピルバーグが描きたかったのは、自身の物語以上に、敬愛する、今は亡き両親の姿だったのだろう。


『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
ジャッキー・チェンと共演した『ポリス・ストーリー3』、ボンド・ガールに抜擢された『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』などで国際的なアクション・スターとしての地位を確立したミシェル・ヨー。本作は作品賞ほか、彼女の主演女優賞を含む最多11部門でノミネートされている。この作品で奇跡のカムバックを果たし、助演男優賞受賞はほぼ間違いなしと言われるのが、1980年代に子役として活躍したキー・ホイ・クァン。90年代からは俳優を休業していた。監督はダニエルズ。140分。3月3日(金) TOHO シネマズ 日比谷 他 全国ロードショー。配給:ギャガ (C)2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.

■『フェイブルマンズ』
本作の脚本を担当したのは『ミュンヘン』(05)、『リンカーン』(12)などのスピルバーグ作品を手掛けてきたトニー・クシュナー。「どうして監督になったんですか?」という15年以上前の、クシュナーのスピルバーグに対する問いの答えが、この作品へと発展していったという。アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞(母親役のミシェル・ウィリアムズ)など7部門で候補入り。主人公の伯父役で助演男優賞にノミネートされたジャド・ハーシュは、1980年にロバート・レッドフォードが監督した『普通の人々』でもオスカー候補となった大ベテラン。151分。3月3日(金)より全国公開。配給:東宝東和 (C)Storyteller Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.

文=永野正雄(ENGINE編集部) 

(ENGINE2023年4月号)

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