2020年を節目に、大きな変革を遂げつつあるマセラティ。スーパースポーツのMC20、中型SUV のグレカーレに続き、新型グラントゥーリズモが登場。その走りをローマで試したエンジン編集長のムラカミのリポート。今回は前篇に続いて後篇をお送りする。◆前篇から読む場合はコチラから!これみよがしではないEV試乗当日は、残念ながらあまりいい天気とは言えなかった。しかし、別の日にはローマでも雪が降ったというから、それに比べれば少々の雨くらいは我慢するべきなのだろう。試乗会の拠点となったのは、かつてF1レースも行なわれていたヴァレルンガ・サーキット。まだ、プロトタイプの段階で、認証が取れていないというフォルゴーレはサーキットのコースで、トロフェオとモデナは公道で試乗するプログラムだった。
私が最初に乗ることになったのはフォルゴーレ。まずはインストラクターの横に乗ってコースを1周下見し、その後に自分の運転で3周走ることができた。あくまで公道に見立てて走って欲しいと言われたので、決してレーシング走行のような走り方をするつもりはなかったが、それにしても驚いたのは、そもそもがEVスポーツカーにありがちな、これみよがしなドンッと急激にトルクが立ち上がるような発進加速や、低重心と重量物を中心付近に寄せることから来る独特のハンドリングの良さを強調するようなものとは、まったく違う味つけのクルマに仕立てられているということだった。すなわち、アクセレレーターを踏んでいくとスーッと気持ち良く発進し、その後の加速感もコーナリング時のクルマの動きも、まったくこれまでのガソリン車と違う感じがしない。それでいて、とにかく速いのだ。なにしろ、3つのモーターをそのままフルに使えば、1200psにもなるハイパワーを秘めたモンスター・マシンである。もちろん、電池の出力容量がそんなにはないから、それはあり得ないにしても、複合最高出力761psというのはトロフェオより遥かに上で、3モデルの中ではもっともハイパフォーマンスの持ち主であり、価格も一番高い3000万円超になるらしい。それでいながら、まったく激しいところがないから、最初から気持ち良く、それなりのスピードでサーキットを走れてしまう。サウンドもビックリするくらい大人しい。電気モーターからサンプリングした音を内外のスピーカーから出していて、走行モードや速度によって変化させていると聞いていたので、たとえばコルサ・モードにしたら、相当な音が響きわたるのかと思ったら、あくまで節度を保った大人の味つけになっているということに驚いた、というより感心させられた。
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