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2023.03.03

CARS

【詳細画像も一挙公開！】1200馬力の潜在能力を持つEVモデルもラインナップ！　新型マセラティ・グラントゥーリズモに試乗！　ゾクゾクするほどエレガントで、恐ろしく速いGTカー！【後篇】

村上政

マセラティ グラントゥーリズモ・フォルゴーレ

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段違いに上がった剛性感

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なるほど、マセラティはこういう電気GTカーをつくってきたのか、と大いに頷かされることになったのだが、考えてみれば、EVだからと言って、なにも突出した走りをひけらかす必要などないのである。

そう思いながらトロフェオに乗り換えて公道を走り出して、これまた実に大人っぽい味つけのクルマに仕立てられていることを知り、ドンと膝を打つことになった。決してこれみよがしなところはないのに、走りのレベルが先代より数段高いところに達しているのが、走り出してすぐに伝わってきたからだ。

Maserati GranTurismo Trofeo Giallo Corse

Maserati GranTurismo Trofeo Giallo Corse

まず、ボディの剛性感がこれまでとは段違いに上がっている。しかも4WDになって重厚感や安定感が増しており、雨の高速道路や山道でも不安を感じさせるような挙動を見せることはまったくなかった。この日はイタリアの規則で冬タイヤを履いていたから、よりソフトな乗り味が強調されていた面はあるにしても、この安定感は特筆ものだろう。

山道に入ってドライブ・モードをスポーツに切り換えても、ネットウーノ・エンジンが雄叫びを上げたり、ダウンシフト時にエグゾーストから派手な音を響き渡らせたりすることはなかった。でも、もちろん速いのだ。アクセレレーターを踏めばググッと4輪で路面を掴んで加速していくし、ブレーキもフィール良く、しっかり減速してくれる。重めの感触のステアリング・ホイールを切り込んで行くと、実に正確に切れば切っただけ向きを変えてくれるのだ。

次に乗ったモデナでも、基本的に乗り味は同じだった。60psだけパワーが少ない分、同じような走りをしようと思うと、より回して乗る機会が増え、少し音も大きくなって、若干ヤンチャな感じが釀し出されるが、それはもう気分の問題で、特に大きな違いがあるとは思わなかった。

とにかく、あまりにも良くできたGTカーになっていることに、なんだか隔世の感さえ覚えたのだ。かつての3200GTの頃のマセラティのスポーツカーといえば、うかつに触れるとスパッと切られかねないようなピーキーで繊細な乗り物だった。それが今ではこんなエレガントで速くて、しかも安定感のあるGTカーを出してきたとは。実は低速時にはV6エンジンの片バンクが休止して燃費を稼ぐシステムまで付いていたらしいが、まったくわからなかった。どこまでも大人なGTカーなのだ。

文＝村上 政（ENGINE編集長）　写真＝マセラティS.p.A



■グラントゥーリズモ・トロフェオ（モデナ）
駆動方式　フロント縦置きエンジン4WD
全長×全幅×全高　4966（4959）×1957×1353mm
ホイールベース　2929mm
車両重量　1795kg
エンジン形式　90度V6ツインターボ
排気量　2992cc
ボア×ストローク　88×82mm
最高出力　550ps（490ps）/6500rpm
最大トルク　650Nm（600Nm）/3000rpm
トランスミッション　8段AT
サスペンション（前）　ダブルウィッシュボーン／エアスプリング
サスペンション（後）　マルチリンク／エアスプリング
ブレーキ（前後）　通気冷却式ディスク
タイヤ（前／後）　265/30ZR20／295/30ZR21
車両本体価格（税込み）　未発表

■グラントゥーリズモ・フォルゴーレ
駆動方式　電気モーター前1＋後2、4WD
全長×全幅×全高　4959×1957×1353mm
ホイールベース　2929mm
車両重量　2260kg
モーター　3×300kW（1200＋ps）永久磁石モーター
複合最高出力　560kW（761ps）
最大トルク　1350Nm
バッテリー電力　92.5kWh（83kWh使用可能）
急速充電-800V　270kW（最大100km -5分）
急速充電-400V　50kW
サスペンション（前）　ダブルウィッシュボーン／エアスプリング
サスペンション（後）　マルチリンク／エアスプリング
ブレーキ（前後）　通気冷却式ディスク
タイヤ（前／後）　265/35ZR20／295/30ZR21
車両本体価格（税込み）　未発表

（ENGINE2023年4月号）

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