2023.03.16

CARS

史上初の正規輸入中国車、BYD! 2025年末までに正規ディーラー100店舗出店の驚きの計画とは?

正規ディーラー1号店のBYD AUTO東名横浜

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中国の大手電気自動車メーカーが、日本の乗用車市場へついに参入。東名横浜を皮切りに続々と正規ディーラーをオープンさせるという、その大胆な戦略とは?

クルマ・ビジネスのメッカに

中国の大手電気自動車(BEV)メーカーのBYDが、日本の乗用車市場への参入を大々的に表明したのは昨年夏のこと。そのときに発表した予定どおり、最初のモデルとなるATTO 3がこの1月31日に正式発売となった。

それに合わせて、まずは商談や試乗の案内が可能な「開業準備室」20店舗が同日に営業開始。さらに2月2日にはショールームを備える「BYD AUTO東名横浜」がオープン。23日にも「BYD AUTO堺」がオープン予定だ。もっというと、前記の開業準備室も2月中に12店舗が追加されるという。
 


というわけで、正規ディーラー第一号となるBYD AUTO東名横浜をたずねてみたのだが、その店名どおり、東名高速の横浜町田ICからクルマで数分の国道246号沿いにある。周辺には輸入車や国産車の正規ディーラー、大手中古車店、カーショップが立ちならび、クルマ・ビジネスのメッカともいうべき好立地だ。


また、同店を運営する株式会社アクセルは、BYDを手がける以前から、ボルボやステランティス系の5ブランドの正規ディーラー8店舗のほか、輸入車専門店3店舗を展開している。つまり、輸入車ビジネスのプロ中のプロである……といった事実からひしひしと感じるのは、BYDの日本市場に対する本気度である。前記の開業準備室というのも正規ディーラーとしてオープン予定の店舗のことで「それらを含めて国内70カ所は開業のめどが立っています」と、BYDオートジャパンの東福寺厚樹社長。それが本当なら「25年末までに100店舗」という目標達成も確実と思われる。



日本市場に対する本気度

史上初の正規輸入中国車、しかもBEV専業というBYDは、前例のない将来性を感じさせつつも、日本市場で成功するかは分からない。個人的にも見当もつかないというのが本音だ。こういう場合、本来なら、ごく少数の直販店舗か韓国ヒョンデのようにネット販売に特化するなど、少量販売でも成り立つカタチからスタートさせるのが正攻法だろう。


しかし、それはBYDの流儀ではない。日本社会に浸透した伝統的な“クルマ屋”のスタイルで、最初から当たり前のようにやっていく。それがBYD戦略の基本らしい。

乗用車でこそ新顔のBYDも、日本での事業を開始したのは今から18年前の2005年にさかのぼる。最初はPCや携帯電話用バッテリーが主力だったが、今ではBEVバスやフォークリフトなど、いわゆる自動車事業も展開している。つまり、今回は満を持しての乗用車市場への進出なのだ。BYDはやっぱり本気である。


文=佐野弘宗

(ENGINE2023年4月号)

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