2023.04.25

CARS

「乗れば乗るほど魅力が染み出て来るようなフラッグシップ・モデル!」 これが「DS9 E-テンス」に試乗したジャーナリストの生の声だ!

DS9 E-テンス

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2023年の注目の輸入車38台を一同に集めたエンジン大試乗会に参加したモータージャーナリスト40人が注目するクルマ! アクティブ・スキャン・サスペンションは絶品の乗り味! DS9に乗った竹岡圭さん、菰田潔さん、山本シンヤさんの3人は、思わず叫んだ!

独自の空間が魅力

まるでホテルのラウンジに紛れ込んでしまったかのような気品溢れる空間。パール・ステッチとクル・ド・パリ文様がキラキラと輝く空間で、ウォッチ・ストラップ柄のナッパ・レザーシートに身を委ねると、B.M.R社製の時計が時を刻む……。クルマの室内のお話をしているようには聞こえない、そんな空間がDSの最大の魅力。デコラティブなカタチを見事に組み合わせ、一体感のある空間に仕上げるデザイン力の高さには、毎度ながら深く頷かされてしまいます。そしてひと度走り出せば「しなやかって、こういうことですよねぇ~」なんて、またもやふむふむと頷いてしまったりして(笑)。なんだか人を落ち着かせて、ゆったりとした時間に浸らせてしまう魔法を持っているとしか思えないんですよね。それでいて、バランスよくスポーティに走らせる術も知っているという奥深さ……。いろんな面を魅せてくれるから飽きがこない。出し惜しみするかのように、乗れば乗るほど魅力が染み出て来るようなフラッグシップ・モデルって、ありそうでなかなかない気がします。(竹岡圭)

フラッグシップ・サルーンにふさわしいラグジュアリー感にあふれたDS9の室内。ダッシュボード、ステアリング・ホイール、シートなど、“アールルビィ”と名づけられた赤茶色で仕立てられる。

フレンチ・アート


DSオートモビルズはシトロエンから派生したプレミアム・ブランド。そのトップに位置する4ドアセダンがDS9ということで、EPC会員さんと2人でワクワクしながらの試乗となった。4ドアセダンといいながらも傾斜したリア・ウインドウのクーペ・シルエットに色気がある。ドアを開けると革職人が手がけたというインテリアがDSらしい高級感を醸し出す。時計バンドをイメージした革シート、菱形デザインのスイッチ類などゆっくり観察している暇はない。走り出すとEPC会員さんが「乗り心地がすごくいいですねー」と思わず感想を漏らす。そう、DSの乗り心地は超一級品なのです。「路面との当たりをソフトにするだけでなく、ボディの揺れをゆっくりにすることで他にはマネのできない快適性を演出しているんです」と解説。乗り心地だけでなくハンドリングも超一級品というところをワインディング・ロードで体感した。センター付近の遊びのないハンドルが正確にコーナーをトレースして行けるのが気持ちいい。DS9は乗り心地とハンドリングという動的な部分までもフレンチ・アートだった。(菰田潔)

シートはヒーターやマッサージ機能を備える。

ソフトなのにモッチリ

正直これまでDSにあまりいいイメージを持った事が無かった。確かに内外装を含めたデザインは独創的だが、走りは見ためと裏腹に平凡……。しかし、DS9に乗ってその考えを改めようと思った。これは「フランス車でなければできない高級車だ」と。驚きはやはり快適性の高さだ。ドライブ・モードのコンフォートを選ぶと、ゆったりとしたストロークでショックを吸収する足さばきで「ソフトなのにモッチリ」と言いたくなる乗り心地。この辺りは「アクティブ・スキャン・サスペンション」の効果も大きいと思うが、どこか古き良きフランス車を思い出す確信犯的なセットアップなのだろう。パワートレインは1.6リッターターボ+モーターのプラグイン・ハイブリッドを搭載。EVモード時は俊敏ではないが静かでフットワークに見合った滑らかフィーリングだが、ハイブリッド・モード時はエンジンとモーターの連携の悪さ(=ギクシャク感)と高めの回転で唸るエンジンはちょっとガッカリ……。見た目、走り共に誰にでも薦められるクルマではないが、定番プレミアムに飽きてしまった人にはアリな選択だ。(山本シンヤ)

写真=小林俊樹/神村聖/茂呂幸正/郡大二郎

(ENGINE2023年4月号)

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