2023.04.09

LIFESTYLE

まるで日時計のような家!? 建物全体がねじれている! ゼネコンもサジを投げた厳しい日影規制をクリアするために建築家が考えた驚きのアイデアとは

小室舞さん設計による、日時計のような家の室内。

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雑誌『エンジン』の大人気連載企画「マイカー&マイハウス クルマと暮らす理想の住まいを求めて」。今回は、都心の一等地に建つ4階建てのM邸。正面から見ると気がつかないかもしれないが、実はこの家、2階から4階の位置がねじれて配置されている。デザイン・プロデューサーのジョースズキ氏がリポートする。

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建物の形を工夫することで……

国立競技場にほど近い場所に、会計士のMさん(48歳)一家が暮らす4階建ての「家」は建っている。もっとも一棟全てが住居ではなく、住んでいるのは3、4階部分。1、2階はテナントに貸し出している併用住宅だ。まさか7万もの人が集まる巨大な施設のすぐ近くに、家を建てて住んでいるとは。少々驚いたが、このエリアは住居専用地域。近隣には低層商業ビルもあるが、マンションだけでなく戸建て住宅も点在する住宅街。そのため、駅前の商業地域とは建物に適用される法律が違う。例えば高さ10mを超える建物となると、北側の住宅の日照を考慮した、複雑な日影規制が存在するのだ。



そもそもMさんがこの場所で考えていたのは、収益用の建物。しかし容積率が160%と低い土地だ。相談したゼネコンもハウスメーカーも、10mの高さの建物が限界という。これでは3階建がせいぜい。そのうえ住居専用地域なので、建物の一部スペースに人が住む必要がある。このままでは収益用建築としての魅力は薄い。念のため親交のある若い建築家の小室舞さんに意見を求めたところ、建物の形を工夫し日影規制をクリアすれば、20mの高さまで建てられることが分かった。こうして小室さんに設計を依頼し、完成したのがM邸である。上の写真から、2、3、4階の位置がねじれて配置されていることが分かるだろうか。M邸最大の特徴は、日影規制をクリアしたこの形である。もっとも家の前の通りは狭く、指摘されなければ多くの人は異形の建物に気付かないかもしれない。


商業用に賃貸を行う場合、天井の高い方が有利と言われている。そこで1、2階は天井を高くして商業テナント用スペースに。すると、上部階用に約150m2分の床面積が残る。それを賃貸用の集合住宅にせず、自分たちの住居として使用することを選択。こうして、4階建てのM邸の骨格があらかた決まった。



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