2023.05.03

CARS

レブリミットは9500回転! エンジンの搭載方向がこれまでと180度逆?! ランボルギーニの最新モデル、レヴエルトの発表会に立ち会ったジャーナリストが、その詳細を明らかにする!!

縦型の、まるで浮いているようにマウントされたセンター・ディスプレイ部は異なるが、レヴエルトのインテリアのイメージはシアンによく似ている。

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より軽くより強いモノコック

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これらの最新にして最強のパワーシステムを搭載するシャシーは、「モノフセレージ」と呼ばれるカーボンファイバーのみで構成された新しいモノコックで、これは航空工学にインスパイアされたものだとランボルギーニは説明する。マルチテクノロジーのカーボンファイバーだけで製作されたモノコックに加えて、ランボルギーニが2008年に特許を取得した短いカーボンファイバーを樹脂に浸した特殊素材、フォージドコンポジットによるフロントセクションの構造も見どころの1つだ。



このモノフセレージは、アヴェンタドールのモノコックと比較して、ねじり剛性、軽量性、ドライビングダイナミクスにおいて大きく進化を遂げたもの。カーボンファイバーはフロントコーンにも採用され、それによってエネルギー吸収率は格段に高まった。参考までにレヴエルトのモノコックは、アヴェンタドール比で10%軽く、フロントフレームに限ればその数字は20%にも達する。ねじり剛性の40000Nm/度という数字は25%の向上に相当する。

モノフセレージの開発の根底にある設計コンセプトは、コンポーネント間の最大限の統合にあるという。それを象徴するのがその核ともいえるリング状のモノシリック・ロッカーリングで、CFRPで成型されたそれが、タブやフロントのファイアーウォール、Aピラーなどのフォージドコンポジット製エレメントを囲み、連結する構造となっている。リアのサブフレームは高強度のアルミニウム合金製。やはり部品点数の低減などによって、大幅な軽量化とともに剛性の向上、溶接線の大幅削減を実現することに成功している。



ランボルギーニによれば、このレヴエルトは自動車の生産におけるカーボンファイバーの使用に関して、「AIM」の頭文字で示される、新しいゼロ年を象徴するモデルであるのだという。AIMとはすなわち、「オートメーション」、「インテグレーション」、「モデュラリティ」の意で、オートメーションとはランボルギーニの伝統的な製法を維持しながら、さらに材料の変換に、よりデジタル化されたプロセスを導入すること。インテグレーションとは圧縮成型の開発を通じて、複数の機能を1つの部品に統合していくことで、高い剛性を保証すること。そしてモデュラリティとは応用技術をモジュール化することで、あらゆる製品の要求や特性に対応できるよう、より柔軟で効率的な製品を生産することを意味しているのだという。

PHEVでなくHPEV

デザイン・センターという限られたスペースの中ではあったが、そこでファースト・コンタクトを果たしたレヴエルトの姿は実に刺激的なものだった。特徴的なのはやはり近年のランボルギーニが好んで使用してきたY字型をモチーフとしたヘッドライト・ユニットに象徴されるフロントマスクが放つ独特なオーラで、さらにそのディテールを仔細に観察すれば、過去のV型12気筒ミドシップ車にモチーフを得たと思われるディテールも採り入れられている。



もちろんレヴエルトのボディはただ単にデザインの迫力や個性だけを競って生み出されたものではない。エアロダイナミクスに大きな影響を及ぼすアクティブ・エアロダイナミクスの効率とダウンフォースは、それぞれ61%、66%向上し、これにはエアの流れを高効率のリア・ウイングへと導くフロント・スプリッターとルーフの優れたデザインが大きく貢献している。またレヴエルトのエアロダイナミクスはセミアクティブ方式のサスペンションにも連動しており、専用設計されたランボルギーニ・ヴァーチカル・コントロールシステムが、サスペンションとリア・ウイングの動きをリアルタイムに制御。刻々と変わる車両の安定性を高める役割を果たしてくれる。

レヴエルトのドライバーは、EV走行モードの「チッタ」を始め、「ストラーダ」、「スポーツ」、「コルサ」の各ドライブ・モードを選択できるほか、ハイブリッドシステムの搭載に伴って、新しく「リチャージ」、「ハイブリッド」、「パフォーマンス」のモード選択も独立して可能になった。この両モードの組み合わせで選ぶことのできるダイナミクス設定は合計で13タイプ。チッタでは最高出力は180psに抑えられるほか、ストラーダでは886psに、スポーツでは907ps、そしてコルサではついにレヴエルトの性能がフルに体験できる1015psのパワーが、V型12気筒エンジンと3基のモーターのすべてを使用して発揮される。ESCの無効化やローンチ・コントロールも使用できる。

0→100km/h加速を約2.5秒でこなすというランボルギーニ期待の新型V型12気筒モデル、レヴエルト。ランボルギーニはPHEVではなく、HPEV=ハイパフォーマンス・エレクトリファイド・ヴィークルと呼ぶ。創立60周年という記念すべき年に、彼らは世界を驚嘆させる新世代のフラッグシップ・カーを作り上げてみせたのだ。

文=山崎元裕 写真=ランボルギーニ


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■ランボルギーニ・レヴエルト
駆動方式 ミドシップ縦置きエンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 4947×2033×1160mm
ホイールベース 2779mm
車両乾燥重量 1772kg
パワーユニット形式 水冷V型12気筒DOHC+前2後1モーター
ボア×ストローク 95×76.4mm
排気量 6498.5cc
エンジン最高出力(システム出力) 607kW/9250rpm(746.5kW)
モーター最高出力(前/後) 220kW/3500rpm/110kW/10000rpm
エンジン最大トルク 725Nm/6750rpm
トランスミッション デュアルクラッチ式8段自動MT
サスペンション(前後) ダブルウィッシュボーン
ブレーキ(前後) カーボンセラミック通気冷却式ディスク
タイヤ(前/後) 265/35R20/345/30R21
車両本体価格(税込) 未定

(ENGINE2023年6月号)

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