2023.04.30

CARS

アルファードのさらに上を行く高級ミニバン、レクサスLMを現地で見た島下泰久が解説する

レクサスは4月27日で閉幕した上海モーターショー2023で、新型LMを世界初公開した。

初代は2020年に登場

LMと言われてもピンと来ない日本のユーザーは多いに違いないが、「ラグジュアリー・ムーバー」を意味する車名のLMは2020年に中国やアジア地域でのショーファー・ドリブンMPV(多目的車)需要に応えるかたちでデビューしたモデルで、新型が2世代目となる。



日本市場にも導入される

実は新しいLMは北米を除くグローバル市場での展開が予定されている。もちろん日本も含まれている。つまり今後、これから大いに注目すべき存在なのだ。

全長5125mmという堂々とした体躯のボディは、レクサスの最新のアイデンティティであるスピンドルボディを採用して、威厳を醸し出しつつも決して威圧はし過ぎないデザインとされている。この辺りは中国含むグローバルで見た富裕層の好みの変化が感じられるところでもあり、レクサスらしいとも言える。



まるでファーストクラス

注目はインテリア。公開された4シーター仕様はフロント・シート背後に隔壁を設けてリア・コンパートメントをたった2名のために用いるもので、ここにはまるでファーストクラスのような独立したふたつのシートが備わる。eラッチの採用によりスムーズな所作で開くスライド・ドアを開けた瞬間にその贅沢さに思わず息を飲んだ。

前方には何と48インチという大型ディスプレイ、そして冷蔵庫などが設置されている。これらは乗員が心地良く過ごせるように、視覚的なノイズを可能な限り減らすデザインと仕立てとされているのが特徴。ブラックとホワイトの2色が用意されるうち、展示車のホワイトのインテリアではカッパーのアクセントも使われているが、こちらも主張し過ぎない、とてもいい案配で、まさにモダンなプレミアム感が表現されている。



快適性とサポート性を両立

シートは2種類の衝撃吸収材の使用により停車時、走行時ともに快適性とサポート性を両立。ちなみにフロント・シートも、やはりクルマとの対話に集中できるホールド感を重視しているという。

温熱感IRマトリクスセンサーにより乗員と周辺の温度を検知してエアコンやシート・ヒーターなどを一括で制御する空調、電動調整可能で大型オットマンを有するシートのポジション、全ウインドウに備わるサンシェードに、64色から選択できテーマに合わせた様々な色調を用意するイルミネーションなどは、初採用のリア・クライメート・コンシェルジュにより統合制御される。様々な機能はアームレストに置かれた脱着可能なコントローラーでも操作可能だ。

静粛性にも当然配慮されているが、単にノイズレベルを下げただけではないという。目指したのは空間的な広がりを感じさせ、人工的にならない空間。レクサスはそれを「静粛感」という言葉で表現する。なお、オーディオはマークレヴィンソンを採用する。



走りもレクサス・クオリティ

後席のパッセンジャーが快適に過ごせる空間とするためには、当然クルマとしての走行性能も重要だ。新型LMはボディ剛性を徹底的に高め、捻り剛性を従来型比で約1.5倍に引き上げている。基本的にはアルファードなどと同じ「GA-K」プラットフォームを使いつつ、前席より後方はほぼ専用設計になるという。

サスペンションには周波数感応バルブ付きAVSを採用。入力に応じて減衰力を切り替える周波数感応バルブが細かな振動を取り除き、AVSつまり電子制御ダンパーが車体の動きを抑制するという仕組みだろう。速度域を問わず質高い乗り心地が期待できる。

さらにドライブ・モードとして「Rear Comfort」を設定。乗り心地と姿勢変化の少なさにより後席乗員の快適性を最大限に引き出すという。



クラウンと同じパワートレイン

パワートレインは2種類。フロントに2.4リッター直4ターボ・エンジン+1モーター、リアに後輪駆動用のモーターを持つeアクスルを搭載した「LM500h」と、2.5リッター直4エンジンを使ったTHS IIを積む「LM350h」を設定する。後者には前輪駆動(FF)と後輪にモーターを積み4輪を駆動するE-Fourが用意される。

「LMは“レクサスの”MPVであることにこだわって開発しました」と横尾貴己チーフエンジニアは言う。単に広く豪華なというのではなく、レクサスらしいデザイン、走り、静粛性、クオリティを追求した、独自の世界を持ったMPVという意味である。「フラッグシップMPV」という言葉にも、そんな自信が表れていると言っていいだろう。

日本市場にはまず4人乗りのLM500hが導入される。タイミングは今秋。間違いなく日本のラグジュアリーカー市場に大きな衝撃をもたらすはずだ。



文=島下泰久

(ENGINE WEBオリジナル)

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