2023.05.21

CARS

一部改良を受けたトヨタ・アクアにちょい乗り 実は、乗り心地はヤリスよりアクアのほうがずっと上!

隠れた実力車、トヨタ・アクア

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2代目アクアが一部小変更。確かな実力があるのに、ヒットしないのはどうしてか。隠れた実力車、トヨタ・アクアにモータージャーナリストの高平高輝が試乗した。

決して売れてないわけではない!

2021年にほとんど10年ぶりにモデルチェンジした2代目アクアは、今でもベストテン入りしているから(2022年は7位)決して売れていないわけではないのだが、それでも厳しい目を向けられるのは2011年デビューの初代モデルが大ヒット作だったからだろう。アクアの初代は2013~2015年まで3年連続で年間販売台数トップ(2013年は年間26万台あまり)の座を守り続け、それ以後もベストテン上位に食い込んでいたのである。



そもそも昨年は上位10台のうち7車種がトヨタなのだから、他のメーカーからすれば贅沢な悩みにしか思えないが、さらに上を狙って2022年11月にスポーティ・グレード「GRスポーツ」の追加とともに、内外装に新たなカラー・バリエーションを加えるなど一部改良が行われた。

改めて標準シリーズの最上級グレードZ(FWD)に試乗してみたところ、やはりどこを取ってもヤリスに負けているところはない。確かに見た目が穏当でいささか大人しいこと、そしてパキッとスポーティなヤリスに比べてハンドリングが穏やかと言うか、ちょっと鈍い感じがするのは事実だが、個人的には実用的なコンパクト・ハッチバックとしては不満のない出来栄えだし、荒れた路面でも安定感を失わないタフさもある。



もちろん乗り心地はいつも落ち着かないヤリスに比べるとアクアのほうがずっと上である。さらに大出力を素早く出し入れできる自慢のバイポーラ型ニッケル水素バッテリーによって、常用域での加速感が思いの外力強いのがアクアの特長である。

事実上同じパワートレインを持つヤリス・ハイブリッドなどと比べても軽快で逞しいピックアップが実感できる。ついでに言えばインテリアの仕立てもヤリスよりはっきりと上等だ。確かな実力はあるのに、それが人気に直結しないのだからヒット作を生み出すのは難しいのである。

文=高平高輝 写真=郡 大二郎



(ENGINE2023年6月号)

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