2023.05.09

CARS

クルマ好きお父さんに朗報! トヨタ・アクアに追加されたGRスポーツ、たった20万円プラスで文句なしの走りが手に入ります!!

トヨタ・アクアGRスポーツ

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初代に続き、2代目トヨタ・アクアにもGRスポーツが追加された。見た目だけでなく、脚やボディにも手が加えられたスポーティ・モデルは、クルマ好きから共感される走りを得ることができているだろうか。モータージャーナリストの高平高輝がリポートする。

トヨタらしい"改善"がいたるところに!

全体的な出来栄えはベストセラーのヤリスよりも上だと思うのだが、なぜかちょっと影が薄いのがアクアである。ハイブリッド専用車のアクアの現行型は2021年末に発売された2代目だが、ほぼ1年後の2022年11月に一部改良を受け、同時に「GRスポーツ」グレードが追加された。ファミリー向けのちょっとおとなしいコンパクトカーと思われている風潮にテコ入れするためと考えられる。とはいえ2022年は年間7万2000台余りを売って普通乗用車で7位という成績だから、決して不振とは言えない。それでも2022年の年間販売台数トップのヤリス(17万台弱)、同じく2位のカローラ(約13万台、ただしこの2車はSUV系モデルも合算されている)に比べると、初代がかつて年間ベストセラーに輝いたこともあるアクアとしては、やはりもうひとつ物足りないのかもしれない。そこで追加されたのがGグレードをベースに開発した「GRスポーツ」である。

シートや本革巻き3本スポーク・ステアリング・ホイールにもGRのロゴが付く。

GRスポーツはボディ補強や専用設定のサスペンション採用、さらに電動パワーステアリングの制御変更などメカニカル面にも踏み込んだのが特徴である。ボディの補強では排気管が通るフロア下のトンネル部分を左右につなぐブレースを前後2か所、さらにボディ後部にもリアバンパー・レインフォースを追加、サスペンションまわりではバネ/ダンパー/スタビライザー/ブッシュなどを専用チューン、合わせて17インチのブリヂストン・ポテンザRE050Aを採用するなど多岐に渡っている。もっと細かいところでは、リア・サスペンションの締結部6か所に溝付きワッシャーボルトを採用という項目もある。ボルトに付属するワッシャーを同心円状に溝が刻まれているワッシャーに変えただけという、ごく細部のしかも外から見えない改良点だが、面圧が均等で締め付けが確実になる効果があるのだという。生産工程やコストに影響を与えない範囲で細かな改良を積み上げるのはいかにもトヨタらしい“改善”である。GRにとどまらず、ぜひ他のモデルにも広く展開してもらいたいものだ。

専用シートの表皮はスエード調のエアヌバックと合皮のコンビネーション。

乗り心地以外は文句なし

1.5リッター 3気筒(91ps)に80psを生み出すモーターを合わせてシステム最高出力116psというパワートレインは他のモデルと変わらないが、出力密度が高く瞬発力に優れるバイポーラ型ニッケル水素電池を採用したアクアは、そもそも常用域でのピックアップが同じパワートレインを積むヤリスなどより明らかに逞しい。モーター走行可能範囲も広く、スロットルペダルを軽く踏んでもスイッと加速する身軽さが美点である。そこに引き締まったボディと脚まわりが加わり、スタンダードのZよりもステアリング・レスポンスがよりダイレクトで俊敏になったのだから文句なし、ではあるが、やはり乗り心地については若干刺々しさが増しているようだ。何しろアクアの標準サイズは15インチ、それが17インチのポテンザに変更されているのだ。家族から文句が出るほどのスパルタンな乗り心地ではないと思うが、内緒でGRスポーツを注文しようと考えているオトーサンはこの点だけは留意すべきだ。

しっかり、ガッチリしたGRスポーツの価格は259.5万円と既存の最上級グレードZのおよそ20万円高、さすがはメーカー内製の値付けである。

文=高平高輝 写真=郡 大二郎



(ENGINE2023年6月号)

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