2023.05.13

CARS

量産車初のターボ・エンジンを積んだBMW2002ターボ 痛快な走りが2002万円で堪能できる

2023年4月14日から16日の3日間で開催された「オートモビルカウンシル2023」。クルマはもちろんのこと、カー用品やグッズだけでなくファッションなどクルマやクルマ生活にまつわる様々な展示が行われる、モーターショーの枠を超えたモーターショーである。

魅力的なクルマが満載

オートモビルカウンシルに出展されるクルマは往年の名車から最新のニューモデルまで年代が幅広いだけでなく、旧車の多くは実際に購入できる販売車両が中心となっている。その中から今回は、エンジン編集部が注目する5台のクルマを紹介していく。4台目の今回は「BMW2002ターボ」。なお、車両についてはすでに販売済みの可能性があることをご了承ください。



4台目は、BMW2002ターボ

量産車初のターボ・チャージャー搭載モデルとなったBMW2002ターボは発表当初からいぶし銀的な存在ではあったが、日本ではスーパーカーブーム全盛時に登場したこともあって、当時の子どもたちからも大いに注目された1台だ。



量産車初のターボ・エンジン

1968年に発表された2002は、1966年に登場した「1600-2」、のちの「1602」から始まった02(マルニ)シリーズと呼ばれるBMW2ドア・スポーティ・セダンの高出力エンジン搭載モデルだ。軽量かつコンパクトなボディにパワフルな2.0リッター直4エンジンを搭載。1基のソレックス製キャブレターを装備していた2002(素のグレード)の最高出力は100psで、ツインキャブレター仕様の「2002ti」は120ps。クーゲルフィッシャー製メカニカル・フューエル・インジェクションを採用し、1971年に登場した「2002tii」の最高出力は130psであった。

インジェクション・システムの採用により、パワーとトルクが一段とアップすることが可能となったが、この成功がターボ・モデルの誕生へと繋がっていった。最強のマルニこと2002ターボがデビューしたのは1973年のことで、かつてBMWが手掛けていた航空機エンジンでのターボ・チャージャーに関するノウハウを世界で初めて量産自動車に転用したのだ。

圧縮比を低めた2002tii用の水冷直列4気筒SOHCメカニカルフューエルインジェクション・エンジンにKKK製ターボ・チャージャーを組み合わせた2002ターボは170psという最高出力を発生。市街地から高速道路、ワインディング路などシチュエーションを問うことなく、圧倒的な速さを披露した。



専門店が手掛けたフルレストア車

そういったスペックを有していたことから現在も熱心なファンを獲得している。クラシックBMW専門店の「シンプルオート」では自動車趣味人に向け良質車な2002をデリバリーしている。オートモビル カウンシル2023では、細部に至るまで仕上げた1974年式2002ターボ(1650万円)を展示しつつ、同モデルのレストア・ベース車両(同じく1974年式)も展示していた。

「レストア・ベース車を展示したのは、フロアに穴が開いた国産旧車のベースとしてレストアしているケースも散見されますが、シンプルオートは良好な状態のベース車両から仕上げているということを示すためです」と、シンプルオートの吉田代表は言う。



必要な場所は新品パーツで組む

「車名が2002なのでフルレストア費用込みのプライスが2002万円という分かりやすい数字になっていますが、シンプルオートの在庫車なのでこの値段で販売することができます。タービン、スロットル・ボディ、ステアリング・ギアボックス、ヘッドライト、ウインカー、モール、ウェザー・ストリップなどは新品パーツで組みます。エンジンの内部に使うパーツも新しいパーツを用いています。メカポン(メカニカル・インジェクションのこと)は、もちろんクーゲルフィッシャー。クロスレシオの5段MTはオーバーホールして装着します」

2002ターボは増加したパワーに対処するため、前後トレッドやラジエター容量の拡大、オイルクーラーの装備、ギア比のクロスレシオ化およびファイナルの変更、さらに脚まわりやブレーキの強化などが行われていた。エクステリアもそれまでの2002シリーズとは一線を画しており、迫力あるオーバー・フェンダーやエアダム・スカートなどを装着。エアダム・スカートには前を走るクルマのバック・ミラーから認識できるように、あえて鏡文字(逆さ文字)で「turbo」の文字が描かれていたのは2002ターボを語る上で忘れることができないディテールのひとつだ。オーバー・フェンダーは本来リベット留めされていたが、日本では当時の運輸省の認可が下りずにディーラー車はパテ埋めされていた。



前期型の丸テールも人気

「ボディ・パネルも揃います。無いのはリア・フェンダーぐらい。このレストア・ベース車両が装備しているホイールはオプションだったマーレーで、これは現在中古でも50万円ぐらいします。リプロ・パーツもありますよ。たしかに2002ターボは注目度が高いのですが、ターボではない2002シリーズ前期型の丸テール仕様が人気だということもお伝えしておきます」

圧倒的な動力性能を誇り、1672台しか生産されなかった2002ターボは、いかにもホールド性が高そうな専用バケット・シートが標準装備だった。BMWのワークス・マシンなどでもお馴染みの3色で構成されたストライプも見る者に高性能車であることを想起させるものだ。内外装および機関系がフルレストアされた2002ターボでハイパワー・モデルならではの痛快な走りを堪能してみるといいだろう。



文・写真=高桑秀典

(ENGINE WEBオリジナル)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

タグ:

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement