2023.07.20

CARS

昔懐かしい「セイチェント」復活 500eの兄貴分となるBセグメントのEVハッチバック

フィアットが新しいBセグメント・ハッチバックの「600e」を発表した。イタリア語読みで「セイチェント」という54年ぶりに復活する車名を持つニューモデルは、SUV的なスタイルを持つ5ドアの電気自動車=バッテリーEV(BEV)だ。

500eイメージを盛り込む

スタイリングは「フィアット500X」に似たフォルムに、「500e」風のヘッドライトなどのデザイン要素を組み合わせる。ノーズ先端とヘッドライトからサイドへ伸びるガーニッシュは600の車名ロゴで飾られる。



SUVテイストを散りばめる

ホイールアーチはSUVテイストを強める黒い樹脂パーツを採用。サイドスカートも同じ無塗装樹脂で、600ロゴが型押しされている。ホイールは16インチと18インチで、いずれもタイヤ幅は215だ。テールライトはアルファベットのEを象った灯体にクロームのドットを組み合わせる。バンパーの無塗装樹脂部には600ロゴとイタリア国旗の3色があしらわれている。

ボディ・サイズは全長×全幅×全高=4171×1781×1523mmで、500Xより120mmほど短く、15mmほど狭く、90mmほぼ低い。ホイールベースはほぼ同等の2562mmだ。車両重量は1520kg。360〜1231リッターの荷室容量は500Xの350〜1000リッターを上回る。



ロゴをあしらったオシャレなインテリア

楕円形の前面にカラフルなパネルをあしらったダッシュボードは500系モデルと共通するデザインで、メーターパネルには7.0インチ、センターには10.25インチのディスプレイを設置する。シートは500eのように車名とフィアットのロゴをあしらった表皮を採用。後席は3人掛けで、背もたれは60:40分割可倒式だ。

プラットフォームは昨年のパリモーターショーで公開されたジープ初のEV専用モデルであるアベンジャーと同じeCMP。サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式、リアがツイストビーム式+パナール・バーを採用する。



156psの前輪駆動

フロントにモーターを積む前輪駆動で、最高出力は156ps、最大トルクは260Nm。0-100km/h加速は9.0秒、最高速度は150km/h。走行モードは、「エコ」」「ノーマル」「スポーツ」から選択できる。

駆動用バッテリーの容量は54kWh。WLTP複合サイクルの航続距離は406〜409km、市街地サイクルは591〜604kmに到達するので、実用性はまずまずといえそうだ。最大100kWの直流急速充電に対応し、20〜80%のチャージは27分で完了するという。交流での0〜100%充電は、3.7kWで16時間10分、11kWで5時間45分だ。



2グレード構成

発売時の仕様は2機種で、フル装備で4色のボディ・カラーが選択できる「ラ・プリマ」と、廉価仕様の「600e(RED)」を設定。後者はパンデミック対策に取り組む同名のチャリティ団体とのコラボモデルで、フロントの車名エンブレムなどが赤く染められる。

イタリア本国での発売は9月。さらに来年半ばにはハイブリッド仕様が追加される予定だ。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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