2023.08.11

CARS

2代目レンジローバーが欲しくて1年半もお店に通った若者と、彼が買うまで他の客を断り続けた店主 クルマ好きに年齢は関係ありません!【連載『若者だってクルマ好き!』#4】

愛知県に暮らす25歳の冨田さんの愛車は2代目レンジローバー

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エンジン編集部唯一の20代ムラヤマが担当する連載『若者だってクルマ好き!』。第4回は、高級SUVの元祖、レンジローバーの2代目に乗る25歳の冨田さん。「セカンド・レンジ」への思いがけぬ一目惚れから2年、やっと手に入れたレンジは、周囲の人にも大人気だ。

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実家はボルボを乗り継いできた

「レンジローバーなんて、僕が乗って良いようなクルマじゃないと思っていました(笑)」

と話す冨田嶺央さんは愛知県に暮らす25歳。愛車の2代目レンジローバーとの出会いは2019年だった。

「就活も終わった大学4年の春、自分のクルマが欲しいなと思って色々と物色していました。当時見ていたのは、ボルボを乗り継いできた実家の影響で、940とか960とか」



そんなとき、クラシック・ミニに乗る、冨田さんにとって人生の師匠のような方からこんな誘いを受けた。

「『ミニを預けているショップに、乗り手を探しているセカンド・レンジがあるよ』って。はじめは興味本位で、見に行くことにしたんです」

そのショップはかつてローバーの正規ディーラーで、新車販売から20余年、ずっとその店で面倒を見てきた1オーナー車だった。

「大学教授の御夫人が送迎に使っていたらしく、距離は控えめの9.4万キロ。その間ずっとディーラーお任せ整備で、良い状態なのが手に取るようにわかりました」

なんとなく見に行ったセカンド・レンジは、ただコンディションが良かった以上に、冨田さんの心に深く刺さったのだという。



「まさにイギリス車、というような深緑のボディと茶革のインテリアの組み合わせにビビッときて。実車を見てみると、典型的なSUVスタイルながら、角は取れていて都会的な面構成もすごく魅力的に感じました。それにこのクルマ、僕と同い年なんです。どんどん気になっちゃって」

とはいえ25年前の輸入車だ。仮に買えたとして、たくさん壊れるんじゃないか、維持していけるのか、心配ごとは尽きなかったとか。

「それから何度も繰り返し店に通いました。当時の情報はWEBにはほとんど上がっていないから、いろいろなことを聞きまくって、不安を1つずつ解消していったんです」



見に行けばいくほど、欲しい気持ちは確信へと変わった。そのうち社会人になり、一気に現実味が増した。

「その頃、クラシック・レンジ(初代)がどんどん高騰していて。セカンド・レンジにもその波が来るかと思うと、時代的にも、このタイミングを逃したら二度と乗れなくなりそうだなと。それが決め手でした」

通い続けること1年半、冨田さんは購入することを決めた。その半年後、当時、親戚から譲り受けて足に使っていたクルマの車検が期限を迎えるタイミングで乗り換える約束を交わしたという。実はその日まで、冨田さんの情熱を感じたショップの方は、他のお客さんとの商談を何件も断って待ってくれていたのだ。

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