2023.08.24

CARS

世界限定62台はもちろんすべて完売 マセラティのサーキット専用車、MCエクストレーマ登場

マセラティがサーキット専用のスポーツ・モデル、「MCエクストレーマ」をアメリカで開催されたモントレー・カー・ウィーク内のザ・クエイル・モータースポーツ・ギャザリングでワールドプレミアした。生産台数は62台の限定となる。

まんまレーシングカー

ベースはマセラティのミドシップ・スポーツのMC20。公道での使用を考慮していないため、フロントにヘッドライトはなし。空力パーツのようなフィン状の車幅灯が備わるのみだ。その外側のフリックやボンネット上の広範囲を占めるエア・アウトレットなどはレーシングカーを思わせる仕立てだ。



730psのネットウーノを搭載

ボディ・サイドに張り出したカナードやキャビン後方からリア・フェンダーにかけて一体化したカウルとエンジン・フードの間に設けられた通気経路も空力効果に配慮した造形となっている。また、ホイールにも空力を考慮したと思しきディスクが取り付けられている。

カーボン製ルーフの上に顔を出すエア・インテークからは後方へとフィンが伸びる。側面にはマセラティのロゴが記され、上面には赤いライトが設置されている。その支柱を挟んで左右には金属のステーが立ち、車幅いっぱいに広がる角度調整式リア・ウイングを支える。

テールエンドは左右両端に3筋ずつのテールライト、中央の上部には2本のテールパイプ、下部には路面に触れそうなほど低いディフューザーが据え付けられている。

事前情報によれば、エンジンはネットゥーノこと副燃焼室を備えた3.0リッターV6ツインターボで、最高出力は730ps。レース仕様のシフトパドル付き6段シーケンシャル・トランスミッションとレーシング・クラッチ、機械式LSDを備える後輪駆動だ。



シングル・シーター・レイアウト

基本的には1シーターと伝えられていたが、そのキャビンは単に片側のシートを取り外しただけではない。両側をコンソールで囲む運転席はまるでフォーミュラカーのコクピットを移設したような眺めだ。非円形のステアリング・ホイールもF1マシンのように数多くのスイッチが配され、中央には情報ディスプレイが埋め込まれている。なお、助手席もオプションで設置することができる。

2000年代前半に登場したマセラティのスーパースポーツ・モデルである「MC12」のレガシーを継承し、未来のマセラティのレーシング・マシンの発想の源になることを願って生み出されたというMCエクストレーマ。残念ながら、62台すべての納車先はすでに決定している。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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