2023.09.03

CARS

ヤフオクの7万円のシトロエンに200万円をつぎ込んだエンジン編集部ウエダ、ポーランドのエグザンティア生誕30周年イベントに参加!【シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#24(番外篇4)】

2023年3月1日夜、ポーランドの首都ワルシャワでシトロエン・エグザンティア生誕30周年パーティが行われた。会場内にはまるでラリー・クロス参戦車両のような出で立ちのエグザンティア・アクティバが!

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ヤフー・オークションで7万円のシトロエン・エグザンティアを手に入れ、10カ月と200万円かけて修復したエンジン編集部員ウエダの自腹散財リポート。今回は2021年5月〜2022年3月にかけての大規模整備を終え、意気揚々と走り出したらいきなりトラブル発生? というリポート本篇からちょっと離れ、番外篇として2023年春にポーランドで行われた、エグザンティア生誕30周年パーティに参加した模様をご報告する。

いよいよ生誕30周年のパーティへ!

#22のリポートでご報告したポーランドのシトロエンXMの5台持ちオーナー、Lech Poddany(レッフ・ポッドダニ)氏のガレージから、ふたたびワルシャワ中心街にある宿、ショパン・ブティックに戻ったのは3月1日の16時頃だった。ゆっくりする間もなく、また青いエグザンティアがすぐ僕を迎えにやって来てくれた。あたりはもう、すっかり暗くなっている。



15分ほどポーランドの市街地を走り、ワルシャワを南北に流れるビスワ川の東岸、動物園や緑豊かな大きな公園のある静かな住宅街に向かう。会場の名は“シティ・ホール”と事前に聞いていたので、てっきり公共の施設かと思っていたのだが、ワルシャワでシトロエンの発表会なども催されたスタジオなのだそうだ。

しかし外から見る限り、イベントが開かれるような建物とはまったく思えなかった。レンガ造りで古めかしく、入り口は小さく、華々しい場というよりも、むしろ隠れ家のような雰囲気である。

受付で上着を預け、真っ白い廊下を進んでいくと、エグザンティアが現役だった当時の、赤い正方形の中に白いダブル・シェブロンを配した旧いエンブレムや、つい先日まで使われていたカーブのおだやかな銀色のダブル・シェブロンが、あちこちに飾り付けられている。



スタッフに誘われてさらに奥へと歩いていくと、急に視界が開けた。



そこは真っ白な、奥行きのある細長い広間だった。中央には、銀と赤の、美しい2台のエグザンティアが並んで配置されており、ひとびとがその周りを取り囲んでいる。しかもどっちもエグザンティアいちレアなグレード、アクティバだ!





このエグザンティア・アクティバたちと向き合うように6人分の椅子が並ぶステージもあった。シトロエンの創始者アンドレ・シトロエンの胸像と、“CITROEN”と“Xantia”という、赤く大きな実車のエンブレムを模した、立派な装飾が施されている。

まるで30年の時をさかのぼって、エグザンティアという新型車の発表会が、まさに今から行われるかのようだった。このイベントの仕掛け人であり、フランス車のポータル・サイトfrancuskie.plの代表であり、いちオーナーでもある、Jedrzej Chmielewski(イェンドジェイ・フミレフスキ)氏のエグザンティアへの思い入れの深さに、あらためて圧倒される。

あたたかな出迎え

イェンドジェイはポーランドのシトロエン・クラブ、Amicale Citroen Pologne(アミカレ・シトロエン・ポローニュ、以下ACP)の主要メンバーでもあり、この生誕30周年イベントはfrancuskie.plとACPによる共同開催なのだそうだ。さらにシトロエン・ポーランドやフランスのオイル・ブランドのYACCO(ヤッコ)もこの催しをサポートしていることからも、彼の並々ならぬ熱意が感じられる。



僕が会場に到着した時に集まっていたのはおおよそ50人ぐらいだろうか。最終的には70人近くがこの夜、エグザンティアの生誕30周年を祝うべく、ワルシャワまで駆けつけたという。

オープニングではサプライズもあった。イェンドジェイが急に僕を壇上に呼び、集まった愛好家たちに、アジアの東端からやって来た同好の士として紹介し、エグザンティアのピンバッジをプレゼントしてくれたのだ。予想外の展開に頭が真っ白になってしまい、飛行機の中で頭に入れていたはずのポーランド語はいっさい浮かばず、気の利いたことも言えず、ごく簡単な英語の挨拶しかできなかった。我ながらなんともふがいない限りだ。



しかしそんなことなど一切意に介さず、会場では老若男女、誰もがポーランド語のできない僕を気遣って、英語で積極的に話しかけてきてくれた。

年齢層は50代くらいが中心のようだが、30代、40代とおぼしきひとも多く、10代の若者もいれば、女性の姿も少なくない。日本でまだ元気に走っているエグザンティアは何台くらいいるのか、ポーランドにおける日本車とフランス車との品質の違い、互いのエグザンティアの年式やグレードのことなどなど、会話は途切れない。うまく言葉は伝わらずとも、熱意はなんとか伝わった、のだと思いたい。

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