2023年3月1日夜、ポーランドの首都ワルシャワでシトロエン・エグザンティア生誕30周年パーティが行われた。会場内にはまるでラリー・クロス参戦車両のような出で立ちのエグザンティア・アクティバが!
全ての画像を見る
濃いゲストとサンティ(Xantie)たちイェンドジェイのエグザンティア生誕30周年イベントにかける情熱は、僕の後に壇上に上がったゲスト・スピーカーの面々のディープさからも、しっかりと伝わってきた。

まず最初に彼自身がエグザンティアのヒストリーを語り、シトロエンBXやC15などの書籍も手がけたというベテラン・ジャーナリストによるハイドローリック・システムについてのプレゼンテーションが続いた。
さらにポーランドの老舗シトロエン・ディーラーを率いる熟練メカニックによって30年前のエグザンティアのお披露目の模様が語られ、クラシック・シトロエンのスペシャリストによる、DSからC5に至る歴代ハイドローリック・システム搭載モデルの進化と発展が説明される。そして参加者たちは、一言も漏らさぬよう、じっと聞きいっている。いやはやパーティというよりも、技術者たちと歴史探究家による懇親会みたいだ。
通訳のマルタはあまり偏った情報にまたしても戸惑いながらも、概要をなんとか教えてくれるのだが、専門的な言葉ばかりで通訳が追いつかない。さらにはそこにポーランドのオートモビリスタやジャーナリスト、francuskie.plの編集長も加わり、エグザンティアと同世代のシトロエンたちまで巻き込む、ディスカッションが始まった。
このスピーカーの何人かとはその後直接話をする機会を得たので、写真とともにこの時語ったことなどを記している。ぜひそちらも目を通して欲しい。

ディスカッションや参加者との会話で気になったのは、ポーランドにおける“Xantia”の呼び方である。日本独自の“エグザンティア”はまった通じず、むしろなぜそんな発音なのかと不思議がられた。この国ではフランス同様、“クサンティア”や“サンティア”が多数派のようである。ちなみにメイン・プレゼンターのジャーナリスト、Wladyslaw Potocki(ウワディスワフ・ポトツキ)氏は“クサンティア”と発音していた。そして愛好する自分たちのことをfrancuskie.pl編集長は“サンティ(Xantie)”と表現していた。

僕はポーランドでは異邦人ではあるけれど、イェンドジェイとマルタと参加者の皆さんの助けもあって、1人の“サンティ”となり、エグザンティア生誕30周年を祝うイベントの一員に、なんとか溶け込むことができたようである。
青いエグザンティア
ディスカッションの後、会場はふたたび歓談の場となり、エグザンティアの立体デコレーションが施された素敵なケーキがゲストに振る舞われた。
青いエグザンティアに日々乗っている自分が、遙か異国の地で青いエグザンティアに乗って同好の士と出会い、ともに青いエグザンティアのケーキを食べている。1台のクルマが繋いでくれた縁に、僕は胸がいっぱいになったのだった。

こうしてワルシャワで熱意ある“サンティ”たちによって行われた、30年という区切りの年を祝う、エグザンティアの誕生パーティは、無事幕を閉じた。
さて次回の番外篇は、胸像としてこの誕生会を見守り、ゲスト・スピーカーたちとともに壇上でずっと一緒だったシトロエンの創始者、アンドレ・シトロエンの足跡を辿る、日帰りショート・トリップの模様をお届けする。最初の目的地は、ここポーランド・ワルシャワの、オコポバにあるユダヤ人墓地。アンドレの人生を決めるきっかけになったひとびとが、いまも静かに眠る場所だ。
■CITROEN XANTIA V-SX
シトロエン・エグザンティアV-SX
購入価格 7万円(板金を含む2022年4月時点までの整備の支払い総額は216万9326円)
導入時期 2021年6月
走行距離 15万9247km(購入時15万8970km)
文=上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=上田純一郎/francuskie.pl
(ENGINE WEBオリジナル)
◆エンジン編集部ウエダのシトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート連載一覧はコチラ
ヤフオク7万円25年オチのシトロエンの長期リポート連載!
◆ちょっと古いクルマ趣味を愉しむ人たちのリポート一覧はコチラ
ちょっと古いクルマが面白い!
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
いますぐ登録
会員の方はこちら