2023.09.15

CARS

【試乗記】ついに日本上陸、アルピーヌA110Rに箱根で乗った! ホイールはカーボン!! 1550万円のアルピーヌは乗ってどうだったのか

ピタッとピントが合っている 

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しかし、そんな過激な成り立ちとは裏腹に、実際に走らせてみると、拍子抜けするくらいに乗りやすい、極めて洗練された乗り味のスポーツカーであることが、駐車場から出ないうちにすぐにわかり、ホッとすると同時に、大きく目を瞠らされた。 

走り出しの動きはウルトラ・スムーズだし、ミシュラン・パイロット・スポーツのカップ2タイヤを履く足回りの感触も決して硬すぎるようなことはなく、まるでピタッとピントが合った写真のように鮮明に、接地面の状態を手のひらやお尻に正確に伝えてくれる。決して平滑なところばかりではないワインディング・ロードを走り始めても、Sより特別乗り心地が悪いとは思わなかった。むしろ、少々の入力があっても、ダンピングが素晴しく効いていて、揺れを一発で収めてくれるから、こちらの方が乗り心地がいいと思えるくらいだ。そして、ステアリングを切り込んでいった時のクルマの動きも、驚くほど精度が高く、切れば切っただけスッと曲がってくれる。エンジンはSとまったく同じ300ps/340Nmの4気筒ターボだから、速さ自体はそう変わらないはずだが、すべての操作に対する反応が鮮明で精度が高いものだから、まるで別物に生まれ変わったような新鮮な乗り味を感じさせてくれるのである。 

つまるところ“過激”なのは、その精度の高さにおいてなのだと私は理解した。発表時には、ロードが本籍のSに対して、Rはサーキットが本籍と言っていたが、これにバックカメラが付いて背後が見えて、ベルトが3点式になったら、十分にロードでも楽しめるはずだ。もっとも、価格はやや“ラディカル”だけれど。


文=村上 政(本誌)  写真=柏田芳敬



■アルピーヌA110R
駆動方式   エンジン・ミド横置き後輪駆動
全長×全幅×全高   4255×1800×1240mm
ホイールベース      2420mm                          
車両重量(車検証) 1090kg(前軸470kg、後軸620kg)
エンジン形式   直噴直列4気筒DOHC16バルブ・ターボ
排気量           1798cc
ボア×ストローク     79.7×90.1mm
最高出力       300ps/6300rpm
最大トルク      340Nm/2400rpm
トランスミッション ツインクラッチ式7段自動MT
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン/ コイル
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン/ コイル
ブレーキ(前後)   通気冷却式ディスク
タイヤ     (前)215/40R18、(後)245/40R18
車両本体価格(税込み)  1550万円

(ENGINE 2023年11月号)

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