2023.10.18

CARS

これが噂の“金継ぎ”ボディ! 強烈な見た目のBMW XMが日本上陸 見てびっくり、乗るともっと驚く攻めたBMW!!

BMW XMが日本に上陸、初試乗!

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BMW M1以来、久々のM社オリジナル・モデルとして登場したXM。どうしても、この押し出しが強い威厳ある外観に話題が集まりがちだが、M社初の電動パワートレインを搭載するなど、中身の注目度も高い。モータージャーナリストの高平高輝がリポートする。

「M」ブランド初のPHEV

BMWは攻めていると思う。上級モデルになればなるほど保守的になるのが普通だが、新型7シリーズやX7、そしてこのXMを見ると、まったく新しいトレンドを生み出そうとしているかのようで実に挑戦的である。



もちろん、主力市場となる米中および中東地域でアピールするにはこれだけの威容が必要という判断なのだろうけれど、特別なスポーツカーや限定車などではなく、それぞれのセグメントのフラッグシップ・モデルとして堂々と打ち出しているのだから、その思い切りの良さに感心する。単に好き嫌いで決めつけてはその覚悟を見誤るというものだ。

とはいえ、個人的には巨大なキドニー・グリルだけでただ圧倒されるばかりだが(しかもその輪郭がLEDで光る)、そのうえXMはウィンドウ周辺やリア・ディフューザーまわりのゴールドのモール(ブラックもあるらしい)がまるで“金継ぎ” のようにも見えて強烈な印象だ。そういえば金継ぎデザインは海外で流行っているとも聞く。注目を集めること間違いなしである。



その「M」専用ボディはかつてのM1以来という触れ込みだが(ちなみにホイールベースはX7と同一)、XシリーズすなわちBMW製SUVの超弩級旗艦モデルと見ていいだろう。またXMは「M」ブランドにとって初のPHEVとなる。

鬼面人を嚇すようなエクステリアに比べて、インテリアは武闘派というよりずいぶんとゴージャスでラグジュアリーな仕立てである。XMはモノグレードというが、分厚いシートも内装も2トーンのメリノレザーとアルカンターラ仕立てで、天井は立体的なダイヤモンド・パターンのライニングに周囲から間接照明が当たるという凝った作りである。



2トーンのメリノレザー内装はラグジュアリーそのもの。

凝った立体形状のアルカンターラ・ライニングに間接照明がゴージャスだ。

2130万円は安い!?

そんな豪勢なインテリアながら、走り出せばたちまちMモデルであることを実感する。常用域ではたとえ「ロード」モードであってもビシッと締まった脚まわりが力ずくで路面の凹凸を押さえつけていくような硬質な反応があり、細かく設定できる(当然「M1」、「M2」ボタンもステアリング・ホイールに備わる)各種パラメーターを「スポーツ」、「スポーツ+」に変えればさらにガッチリと引き締まる。

リチウムイオン電池の容量は29.5kWh、WLTCモードのEV走行距離107kmというPHEVゆえに、静かに走ればEV走行に徹するものの(電動での最高速は140km /h)、ちょっとスロットル・ペダルを踏み込んでひとたびエンジンが始動すると、スポーツ・モードを選んでいなくともかなり獰猛なサウンドを発してグワッと加速する。4.4リッターV8ツインターボは489ps/6000rpmと650Nm/1600~5000rpmを発生、8段ATに内蔵されるモーター(197ps/280Nm)を合わせたシステム最高出力は653ps、同トルクは800Nmというモンスターなのである。



車重2710kgにもかかわらず、0-100km /h加速は4.3秒、最高速は270km /hというからさすがは「M」だ。アクティブ・スタビライザーや後輪操舵システム、Mスポーツディファレンシャル付きMxDrive(4WD)など電子制御を満載するXMは張り付いたようにコーナリングするのみ。自分のことはさておき、豪勢なインテリアと合わせてこれで2130万円は安い、というような気持ちになってくるから不思議である。

文=高平高輝 写真=宮門秀行

(ENGINE2023年11月号)

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