「もはやクルマではなく建築物を見ているよう　 by 塩見智」　自動車評論家41人が選んだ「欲望を満たし愛情を注げるクルマ」　2023年の総合第19位は、誰も真似できないSUVの王者

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雑誌『エンジン』の大人気名物企画、「エンジン・ホット100ニューカー・ランキングス」。今年のテーマは原点に帰って僕たちクルマ好きの欲望を一番刺激するクルマ、愛することができるクルマは何かだ。41名のホット100選考委員のジャーナリストと編集部員、そして今年はEPC（エンジン・プレミアム・クラブ）会員も加わって、2023年の今だからこそ買いたいと考える20台にポイントをつけて投票し、新車で買える注目の100台を選んだ。まずは2023年版のホット100に選ばれた上位20台をカウントダウン形式で発表する。第19位に選ばれたのは？

第19位、レンジローバー！　120pt

EPC会員の中野淳文さんが「この乗り味は代わるものがないと思ってしまいます」とおっしゃるように、レンジローバーは他のSUVとは違う。豪華なSUVはたくさんある。力強いSUVもたくさんある。悪路に強いオフローダーもたくさんじゃないが他にもある。にもかかわらず、多くの人がレンジローバーを高く評価するのは、他と違うからだ。

顕著なのは日常的な乗り心地。主にドイツ車が構築した、路面からの入力をできるだけ速く収束させようとするフラットネス至上主義とは一線を画し、ボディとエアサスとダンパーによって入力を徹底的にソフトに、やや時間をかけて和らげる挙動を貫いている。ここが皆を虜にするのだ。

歴代どれも素晴らしいが、新型は他の多くのSUV同様、デザイナーの要求に応えて大径タイヤを装着している。にもかかわらずこの乗り心地を維持しているのが素晴らしい。

「レス・イズ・モア」を掲げたオーセンティックな内外装デザインは、もはやクルマではなく建築物を見ているようで、ドイツ勢に「“スポーティ”という軸しか知らないのか？」と問いかけているようにも思えてくる。

EPC会員の0066さんが「いつか乗るクルマ」と単純明快におっしゃる通り、レンジローバーは多くの人が目標とするクルマだ。広く一般に市販されるクルマにとってそれ以上の賛辞があるだろうか。

レンジローバー
全長×全幅×全高＝5065×2005×1870mm。ホイールベース＝2995mm。車両重量＝2580kg。3リッター直6ディーゼル・ターボ（300ps、650Nm）のマイルド・ハイブリッド、3リッター直6ガソリン・ターボ（550ps、800Nm）のPHEV、さらに出力の異なる4.4リッターV8ターボ（530ps、750Nmと615ps、750Nm）のマイルド・ハイブリッドが用意される。車両価格＝1747万円～

文＝塩見智

レンジローバーには9人が投票！
塩見智19pt＋小川フミオ16pt＋日下部保雄16pt＋清水草一16pt＋藤原よしお13pt＋大谷達也11pt＋渡辺敏史10pt＋吉田由美7pt＋山崎元裕6pt＋EPC6pt

レンジローバーに投票した上位5名のジャーナリストの「マイホット20」はこちらでチェック！
◆クルマは高くなったのに収入は上がらない！　さあどうする？　自動車評論家がいま本当に欲しいクルマはこれ！　塩見智が選んだマイホット20　1位はドイツあのスポーツカー
◆自動車評論家がいま本当に欲しいクルマはこれ！　小川フミオが選んだマイホット20　1位は限定生産で早くも売り切れたらしいイタリアのあのオフロードカー
◆「思い切って琴線に触れるクルマだけを選んだ！」　自動車評論家がいま本当に欲しいクルマ20台を選んだ！　日下部保雄の第1位は超意外なあのクルマ
◆「還暦過ぎのクルマ選び！」　モータージャーナリストがいま本当に欲しいクルマはこれ！　清水草一が選んだマイホット20　1位は国産V8自然吸気エンジンのあのモデル
◆「良いクルマの条件、それは心から「また乗りたい」と思うかどうか」　自動車評論家がいま本当に欲しいクルマ20台を選んだ！　藤原よしおの第1位とは？

（ENGINE2023年9・10月号）

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