2023.10.13

CARS

【試乗記】恐るべきロータス! 0- 100km/h加速は脅威の2.95秒!! ロータス初のSUV、エレトレにジャーナリストの石井昌道が試乗

ハイパー・カーのエヴァイヤを旗印に、クルマもブランドそのものも、新世代へと大幅な方向転換を目指すロータス。その切り込み隊長となるのが同社初のSUVにしてEV、エレトレだ。モータージャーナリストの石井昌道がノルウェーのオスロで開催された国際試乗会から報告する。

生まれ変わるロータス


いよいよ日本でも発表となったロータス・エレトレは、BEV(電気自動車)であり、同社初のSUVであり、価格はエレトレSが2332万円、エレトレRが2585万円。プリミティブなライトウエイト・スポーツが得意といった従来のイメージとはまったく違う、ハイブランドにロータスは生まれかわったのだ。



歴史を振り返れば、バックヤード・ビルダーから始まり、F1の名門チームまで登り詰め、名車と呼ばれる数多のスポーツカーを世に送り出してきたが、経営は常に不安定で親会社をいくつも替えながら生きながらえてきた。ところが2017年に中国・ジーリーの傘下となったことで、ボルボのように大成功を収めるのではないかと期待されている。

大きな投資を受けてドイツ・ラウンハイムに開発拠点を設け、世界中からエンジニアを集結。ハイエンドSUVのエレトレを造り上げた。元から本社のあるイギリス・ヘセルは製品定義を担当、コベントリーには新設のデザイン・センターがあり、中国・武漢は最新の生産設備がある。なぜドイツに開発拠点を設けたかといえば、ハイブランド、プレミアムカーの本場だからだ。それに相応しいサプライヤーが集結し、開発テストの場所やそれを請け負うチームも多数存在する。“Born British,Raised Globally(英国で誕生し、グローバルで成長する)”が新生ロータスなのだ。ただしまったく新しいとはいえ、何よりもまずドライバーズ・カーである、というのがロータスのDNAだという。

ロータス初の電動式パワーステアリングを採用。ドライバー・モニタリング、音声認識、5Gエンタテイメント、6つの走行モード、ADAS、リモートの自動駐車に車内の子供やペットの監視などなど、まさに最新技術が満載。




プラットフォームは新開発でEPA(エレクトリック・プレミアム・アーキテクチャー)と呼ばれ、エレトレを初出とし、すでに発表されている4ドアGTのエメヤや、その他の今後のモデルに採用される。

エレトレは前後にモーターを持つ4WDで、Sは前後とも225kWで総合450kW、0- 100km/h加速は4.5秒。Rは前225kW、後450kWで総合675kW、0- 100km/h加速は2.95秒だ。後者のリア・モーターは2段ギアと組み合わされる。電池容量は112kWhで、一充電走行距離はそれぞれ600kmと490km(WLTPモード)。シャシーはアクティブ・エアサスペンションと連続減衰制御ダンパーはすべてに標準で、Rにはロータス・インテリジェント・アンチロール・コントロールと後輪操舵が追加される。

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