2023.10.22

LIFESTYLE

見つけた土地は10mのサンゴの丘の上 真っ青な海に沈む太陽を毎日眺める凄い場所の凄い別荘 設計に5年、職人が数ヶ月住み込んで完成した世界的な現代美術家の家

写真:Sahira Construction Co., Ltd

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東京の拠点はもう不要?

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1階の間取りは、海側にリビング・ダイニング・キッチン、マスター・ベッドルームに茶室。どの部屋も大きな窓から海が見えるが景色が違う。ベッドルームにある鏡と洗面台は、森さんのオリジナル・デザイン。フェラーリなどが仕事を依頼する、イタリアの工房が制作した。窓際に置かれたバスタブに浸かりながら、沈んでいく太陽を眺めるのは最高だろう。茶室の入口に置かれた踏み石は、アクリル製の森さんの作品。モダンな四畳半の空間で、大きな窓の外の景色が変化していく様子は、季節ごとに掛け軸を掛け替える行為にどこか通じる。アクリル製の階段も、森さんの作品だ。踏板は壁から生えたような片持ちで、手摺も支えのない1本の構造。華奢に見えるが、人が上っても全く揺れないしっかりした作りをしている。



そしてこの家のメインの部屋が、2階のスタジオだ。筆者が訪れた日は撮影のため、7m近い幅の窓を全開し、制作用のテーブルを撤去していた。ここから眺める海の美しいこと。スタジオの広さはおよそ45畳。森さんはこの部屋をパーティ会場として使用することもある。古来より宮古島で大切にされてきた冬至の日。去年は日頃からお世話になっている地元の人たちを招き、ユプティラの完成を祝った。

ニューヨークと東京に拠点を持ち、今回新たに宮古島のアトリエが加わった森万里子さん。「太陽が海を美しく照らしている午前の時間帯は、本当に創作がはかどるんです。もしかすると、東京の仕事場は必要ないのでは。そんなことを考えるほど、宮古島の海で暮らす生活を気に入っています」

文・写真=ジョー スズキ 写真=Sahira Construction Co., Ltd



■ 森万里子: 国際的に活躍する日本を代表する現代美術家。1990年代から活動を開始。2002年には、東京都現代美術館で大規模な個展が。写真は2005年にベネチアビエンナーレに出品した作品。中に入れるUFOとして大きな話題となり海外の11の都市を巡回した。美術界に留まらず、世界的なファッション・ブランドとの仕事も多い。近年は主宰するFaou財団の活動にも力を入れおり、第一弾は宮古島の海辺に4mを超える作品を設置。第二弾はブラジルに。今後他の4大陸に作品を設置する予定。

◆「マイカー&マイハウス クルマと暮らす理想の住まいを求めて」のおすすめ記事をもっと見る!


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雑誌『エンジン』の大人気企画「マイカー&マイハウス」の取材・コーディネートを担当しているデザイン・プロデューサーのジョースズキさんのYouTubeチャンネル「東京上手」。建築、インテリア、アートをはじめ、地方の工房や名跡、刺激的な新しい施設や展覧会など、ライフスタイルを豊にする新感覚の映像リポート。素敵な音楽と美しい映像で見るちょっとプレミアムなルームツアーは必見の価値あり。ぜひチャンネル登録を!

(ENGINE2023年11月号)

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