2024.01.22

CARS

アヴェンタドール LP 700-4とウラカン LP 610-4は、どんなランボルギーニだったのか? 総額7000万円超えの試乗インプレッション!【『エンジン』蔵出しシリーズ/ランボルギーニ篇】 

アヴェンタドール LP 700-4とウラカン LP 610-4、2台合わせて7000万円超え!

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雑誌『エンジン』の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている「蔵出しシリーズ」。今回のランボルギーニ篇は、2台合わせて総額7000万円超えのランボルギーニ・アヴェンタドールとウラカンの、2014年12月号の試乗記を取り上げる。カーボンファイバー製大型パーツを内製する部門を設け、新時代の到来を告げるかのようにフラッグシップ・モデルのアヴェンタドールを2011年に投入したランボルギーニは、2014年に満を持してウラカンを送り出し、僕らをふたたび驚かしてくれたのだった。

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「モー劇的に洗練された! アヴェンタドールで新時代を切り開いたランボルギーニが、ウラカンで華麗な跳躍を見せた」ENGINE 2014年12月号

齋藤 いやぁ、驚いたよ。こんなに乗りやすくなっているとは思わなかった。ウラカン、ほんとに新しい感じがする。話はさんざん聞かされていたけど、まさかこれほどとは思わなかった。

ランボルギーニ・ウラカンLP610-4(標準仕様2970万円)


村上 だから言ったじゃない。これならポルシェ911の代わりだって務まるって。街のなかでも全く苦にならないってね。信じてなかったの? ただし、ノーズの低さにだけは細心の注意を払う必要がある。もっとも、今回の試乗車にはオプションで用意されているノーズのリフト・アップ装置が組み込まれていたから、ずいぶんと気が楽ではあったけれどね。

齋藤 そして、ウラカンと乗り較べてみるとアヴェンタドールがずいぶんとオールド・スクールな乗り物に思えたのも意外だった。分かりやすいとも言えるけれど、野獣みたいな要素が濃厚に残っていたんだなぁと認識を改めたよ。それぐらい、ウラカンが新しいということなんだね。

アヴェンタドールで持ち込まれたセンターコンソールのアイデアはさらに開発されて、説得力あるものになっているだけでなく、より使いやすくもなっている。フェイス・レベルのエア・アウトレットは1970年代のランボを想起させるデザインに。


村上 アヴェンタドールが登場した3年前に初めて乗った時には、ムルシエラゴに較べて圧倒的に乗りやすく新しい乗り物になったことに驚いたものだけど、その時よりはるかに今度のウラカンの乗りやすさと新しさに対する衝撃が大きい。

齋藤 ウラカンの前任モデルのガヤルドはモデル・ライフが長かったこともあるけれど、最後までワイルドな乗り物だったでしょ。それがいきなり911の代わりが務まるって言われても、まさかそんな、って思うよ。言い過ぎでしょ、って。ところがそれが本当だったからたまげた。

村上 ランボルギーニのヴィンケルマン社長は、ウラカンの開発で最も重要視したのはベスト・パフォーマンスとデイリー・ユースの両立だと言っていたけど、本当にそういうクルマになっている。



齋藤 乗り心地の良さは、フェラーリの458イタリアを超えているよ。スーパー・スポーツカーのベストでしょ。こんなに乗り心地がよくてほんとにいいの? と思うぐらいに平和。ただし、オプションの電子制御式減衰力可変ダンパーの貢献は少なくないだろうね。

村上 残念ながら南スペインで開かれた国際試乗会も含めて、これまでに乗ったウラカンの試乗車にはすべて可変ダンパーが装備されていたから、違いは分からない。でも、ウラカンの走りの新しさのキモとなる技術のひとつが数々の電子制御デバイスを統合し、クルマの走行特性をアクティブに制御する新開発の“ANIMA(イタリア語で魂の意)”、すなわちアダプティブ・ネットワーク・インテリジェント・マネージメントであることを考えると、その重要な構成要素である可変ダンパーは必須の装備だと思う。標準装着でないのが不思議なぐらい。ダンパーの他に可変ギア比のアクティブ・ステアリングもオプションで用意されていて、それも今回の試乗車には装備されていた。



齋藤 その2つのオプションがない状態だと、ガヤルドの進化バージョンとして分かりやすい乗り物になっているんじゃないかな。その方がガヤルドのようなシンプルでナチュラルな良さがあると思うよ。今回の試乗車はそういう範囲を超えた別次元の新しさを感じさせたよね。

村上 でも、その2つのオプションを除いても、ギアボックスが6段のシングル・クラッチから7段のデュアル・クラッチになり、4WDシステムもパッシブなヴィスカス・カップリング式からアクティブな油圧多板クラッチ式に改められて、電子制御の介入する部分が大幅に拡大している。それを考えると、ウラカンの神髄はそういう電子デバイスを駆使した別次元の新しい乗り味にこそある、と言えるんじゃないの。

齋藤 変速機の滑らかさだけでも感動的なものがあるものね。


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